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大回顧展モネ 印象派の巨匠、その遺産 オルセー美術館・MMF共同企画 「オルセー美術館展:パリで出会うもう一枚の名作」
 
 
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新連載「オルセー美術館展:パリで出会うもう一枚の名作」第1回「親密さ〜ドガの作品から」
MMFのwebサイトをご覧の皆さまのために、オルセー美術館が作品をセレクト、特別に鑑賞のポイントをまとめてくれました。
日本で開催される「オルセー美術館展 19世紀 芸術家たちの楽園」に出品される作品と、オルセーからめったに貸し出されることのない作品とをひとつのテーマで結ぶ、興味深い解説が展開されます。
全6回の連載で紹介されるのは、オルセーが誇る12点の名作。ここでしか楽しめないオルセーの絵画鑑賞を存分にご堪能ください。
 
     
 
『オルセー美術館展』出品作から オルセー美術館の展示室から
 
エドガー・ドガ 『テレーズ・ドガ』1863年
油彩 89×67cm オルセー美術館
©Photo RMN - ©Hervé Lewandowski
 
エドガー・ドガ 『ベレッリ一家』1858-60年
油彩 200×250cm オルセー美術館
©Photo RMN - ©Gérard Blot
 
     
  1855年4月、帝国美術学校に入学する以前より、若きエドガー・ドガは家族、特に兄弟たちの顔をデッサンしていた。ドガの肖像画への好みは彼の画業を通じて続き、彼の近親者たちは1850年代末までドガの第一のモデルでありつづけた。例えば、姉妹のひとりテレーズは、1855年からドガのためにポーズをとり、1863年まで何度も長時間のポーズに応じた。1863年からは、テレーズがひとりで描かれることはなくなり、イタリア系の夫エドモンド・モルビリと一緒に登場するようになった。エドモンドはテレーズのゲルマン系の従兄弟でもある。ドガはそれ以前にも1858年にイタリアを訪れていた。フィレンツェでは父方の叔母ローラの元に滞在し、ローラとその夫ジェンナロ・ベレッリや、その娘ジュリア、ジョヴァンナの肖像を描いた。その後10年近い年月をかけて、この大画面の謎めいた家族の肖像を完成させた。肖像画では人物たちが全く視線を交わさず、孤独のなかに閉じこもっているように見える。(画中画、奥の壁に掛かった金縁の額入りの赤ら顔の祖父イレール・ドガの肖像が皆を見下ろしている。)1867年のサロンに《家族の肖像》という当たり障りのないタイトルで展示されて以来、ドガ若描きの傑作とされている。  
     
 
     
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