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大回顧展モネ 印象派の巨匠、その遺産 オルセー美術館・MMF共同企画 「オルセー美術館展:パリで出会うもう一枚の名作」
 
 
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新連載「オルセー美術館展:パリで出会うもう一枚の名作」第4回「夢〜モロー、ルドンの作品から」
MMFのwebサイトをご覧のみなさまのために、オルセー美術館が作品をセレクト、特別に鑑賞のポイントをまとめていただきました。
日本で開催される「オルセー美術館展―19世紀 芸術家たちの楽園」に出品される作品と、オルセーからめったに貸し出されることのない作品とをひとつのテーマで結ぶ、興味深い解説が展開されます。
全6回の連載で紹介されるのは、オルセーが誇る12点の名作。ここでしか楽しめないオルセーの絵画鑑賞を存分にご堪能ください。
 
     
 
『オルセー美術館展』出品作から オルセー美術館の展示室から
 
ギュスターヴ・モロー『ガラテア』1880年
油彩、82.5×66cm オルセー美術館
©Photo:RMN/René-Gabriel Ojéda/distributed by DNPAC
 
オディロン・ルドン『目を閉じて』1890年
油彩、44×33cm オルセー美術館
©hoto:RMN/digital file by DNPAC
 
     
  歴史画やそれと同種の絵画(神話や宗教的なものを喚起する絵画)は、1870年代から批評家に死んだと言われてきたが、それにも関わらずさまざまな形で生き残り、1890年代、象徴主義が関心を呼び起こし再び注目されるようになった。象徴主義の先駆者のひとりギュスターヴ・モローは、絵画の主題に関する重要な資料を集めていた。そのおかげで、古代や東洋、深海のものまでを含むあらゆる動植物相を参照した作品をつくることができた。『ガラテア』のように、神を中心にはめ込んだ背景の一部は、『マガザン・ピトレスク(奇妙な商店)』誌の記事に着想を得ている。
オディロン・ルドンはというと、まず彼が世に出るきっかけとなった版画集で、次いで絵画で象徴主義の動向に完全に身を投じた。ルドンはモローとは逆に、逸話的要素を排し、正面を向いた顔を少しだけ傾けた姿勢で、ほとんど動きのない中央に焦点をしぼった構図の単純さと、線も色彩も極限までの簡潔さに賭けている。この暗示的な方法で、ルドンは鑑賞者の注意を独占し、イメージの「彼岸」が存在し、閉じた目の奥にはもうひとつの世界が、この場合は恐らく神話的宗教的世界があるということをただちに看取させるのだ。
 
     
 
     
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