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大回顧展モネ 印象派の巨匠、その遺産 オルセー美術館・MMF共同企画 「オルセー美術館展:パリで出会うもう一枚の名作」
 
 
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新連載「オルセー美術館展:パリで出会うもう一枚の名作」第4回「夢〜モロー、ルドンの作品から」
MMFのwebサイトをご覧の皆さまのために、オルセー美術館が作品をセレクト、特別に鑑賞のポイントをまとめてくれました。
日本で開催中の「オルセー美術館展― 19世紀 芸術家たちの楽園」に出品されている作品と、オルセーからめったに貸し出されることのない作品とをひとつのテーマで結ぶ、興味深い解説が展開されます。
全6回の連載で紹介されるのは、オルセーが誇る12点の名作。ここでしか楽しめないオルセーの絵画鑑賞を存分にご堪能ください。
 
     
 
『オルセー美術館展』出品作から オルセー美術館の展示室から
 
ピエール=オーギュスト・ルノワール
『フレデリック・バジール』1867年
油彩、105×73.5cm オルセー美術館
©Photo:RMN/H.Lewandowski/digital file by DNPAC
 
カミーユ・コロー《コローのアトリエ》1865年頃
油彩、56×46cm オルセー美術館
©Photo:RMN/digital file by DNPAC
 
     
  傑作が生まれる錬金術の場所アトリエは、常に画家たちを魅了してきた。中世末からルネッサンス初期にかけて、芸術家たちは自分たちを観客の場所に位置づけ、聖ルカが聖母マリアの肖像を描く場所を想像した。彼らはこうした宗教画や自らの社会的役割を寓意的に表した絵画に代わって、自らが演出する現実的な描写を手がけるようになった。ルイ14世治世下、芸術家の育成を目的とした施設が創設され、学校教育とむすびついて一定の様式が義務化されることによって、18世紀以降このタイプの作品が著しく発展した。ところが、型にはまったアカデミックな様式は、豪華な肖像画には長い間残ったものの、時が経つにつれだんだんこのルノワールの作品のようにより親密な表現に場所を譲るようになった。ルノワールは室内着のフレデリック・バジールが自分の絵に没頭しているところを描いた。コローにおいては少し異なり、アトリエが象徴するのは芸術家ではなく「(諸)芸術」である。画家の道具類、イーゼルにかかったキャンバスや棚の素描は絵画を、物思いにふける女性は音楽を喚起し、文学や詩もほど近いところからこの瞑想の場を見下ろしているようだ。  
     
 
     
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