ルーヴル美術館の魅力 フランス絵画の黄金時代  
美の殿堂ルーヴル美術館を、もっと楽しんでいただくための連続講座です。
講義のあとは、先生を囲んでご質問など自由なコミュニケーションを。
少人数ならではのゆったりとしたひとときをお過ごしいただきます。
©Photo RMN / Christian Larrieu / distributed by DNPAC
 
 
       
 
千足伸行(せんぞくのぶゆき)
  1940年東京生まれ。東京大学文学部卒。国立西洋美術館勤務を経て、西ドイツ(当時)政府給費留学生としてドイツに留学。ミュンヘン大学で主にドイツ・ルネサンス美術を学ぶ。帰国後、西洋美術館に復帰。1979年より成城大学文芸学部に勤務、同大学教授。主な著作に『ロマン主義芸術』(美術出版社)『新・西洋美術史』(西村書店、監修・執筆)など。
 
今回取り上げる3人の画家はいずれもフランス絵画史上文句なしの巨匠であり、彼らを抜きにしてフランス絵画を語ることはできません。18世紀から19世紀前半にかけてのフランス絵画はロココ→新古典主義→ロマン主義と続きますが、ロココとはルイ15世とその寵姫ポンパドール夫人の時代であり、新古典主義とはルイ16世とその妃マリー=アントワネットの時代と言えます。しかしロココ華やかなりし18世紀半ばにはすでに新古典主義が芽生えつつありました。新古典主義は1789年のフランス革命を生きのびてナポレオンの趣味にも適い、19世紀に入ってもその命脈を保ちましたが、18世紀末頃からまずドイツやイギリスで兆し始めたロマン主義は、フランスではドラクロワに至って頂点に達しました。ルーヴル美術館の"目抜き通り"を飾る彼らの巨大な作品群は圧倒的な存在感をもって見る者に迫ってきますが、今回はその代表作を画家の経歴や時代背景にも配慮しながら見てゆき、その立体的、多面的な理解を心がけるつもりです。
         
 
第1回
ダヴィッド(1748-1825) 2006.6.3(土) 16:00 〜18:00  
▲ホラティウス兄弟の誓い
© Photo RMN / Gérard Blot / Christian Jean
/ digital file by DNPAC
ロココ華やかなりし18世紀半ばに生まれたダヴィッドは、1785年にローマで描いた大作《ホラティウス兄弟の誓い》をパリで発表しますが、この作品は絵画における新古典主義のマニフェスト(宣言)とも言うべき作品となり、時代は新古典主義一色に染まります。主に古代ローマの歴史や英雄伝説を描いたダヴィッドは、1789年のフランス革命後はナポレオンお気に入りの画家として、あまりにも有名な《ナポレオン1世の戴冠式》のような作品を描いて時代を牽引しましたが、ナポレオンが没落し、王政復古の時代を迎えると政治的な理由からベルギーに亡命し、ブリュッセルでその生涯を閉じました。
 
 
     
 
第2回
アングル(1780-1867) 2006.7.22(土) 11:00 〜13:00 / 14:30 〜16:30  
▲グランド・オダリスク
© Photo RMN / Hervé Lewandowski
/ digital file by DNPAC
ダヴィッドより30年ほど遅れて生まれたアングルは、フランス新古典主義の第2世代を代表する画家ですが、80年以上にわたる長い生涯は、新古典主義のみならず、ロマン主義を経てクールベ、ミレーのリアリズムの時代にまでまたがっています。彼の師のダヴィッドが愛国心や自己犠牲、共和主義的な理想などをうたい、主題的にも様式的にも厳格かつ男性的なイメージが強いのに対し、アングルはダヴィッドとは対照的に古典的な主題に加え、裸婦や上流夫人の肖像などを得意とし、全体的にソフトかつ女性的なイメージが強く、新しい時代に対応した新古典主義を創造しました。今回はアングルのこうした作品に重点を置いて見ることにします。
 
 
   
       
 
第3回
ドラクロワ(1798-1863) 2006.9.16(土) 11:00 〜13:00 / 14:30 〜16:30  
▲民衆を導く自由の女神
© Photo RMN / Hervé Lewandowski
/ digital file by DNPAC
ドラクロワはアングルより20年ほど後に生まれ、ロマン主義という新しい運動のリーダーとなりましたが、没年はアングルとほとんど変わらず、アングルが最晩年まで活躍したこともあり、新古典主義からロマン主義への完全な“政権交代”はなく、むしろ両者が並び立つという状況が続きました。ルーヴル美術館のグランド・ギャラリーを飾る《民衆を導く自由の女神》、《キオス島の虐殺》、《サルダナパールの死》といった傑作は画家が20代から30代にかけての若い頃の作品ですが、これらは様々な点でアングルとは対照的、対立的な様相を呈しています。今回はこれらの大作に加え、1832年のアフリカ旅行以後の東方趣味豊かなオリエンタリズムの作品も見ることにします。
 
 
   
       
 
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