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イベントレポート
EVENT REPORT

これまで開催したプログラムを
レポート形式でご紹介します。

MMMレクチャー
2018.8.27

MMMライブラリ・プチ読書会
第4回テーマ ヴェルサイユ宮殿のモデル「ヴォー=ル=ヴィコント城」

日   時:
2018年8月27日(月)15:00~16:00
会   場:
東京都中央区銀座7-7-4 DNP銀座アネックス B1
講   師:
MMMライブラリスタッフ

MMMのB1階のMMMライブラリで第4回「プチ読書会」が、8月27日に開催されました。テーマは、パリからおよそ50kmの地にある「ヴォー=ル=ヴィコント城」。参加者の皆さんとともにMMMWebサイトに掲載された記事を読みながら、17世紀建築の傑作とも謳われる理由に迫りました。

 MMMライブラリの常駐スタッフが案内人となって、ライブラリ内で毎月開催されている「プチ読書会」。隔月でMMMWebサイトに掲載されており、2012年9月には書籍化もされたパリ在住の美術愛好家アンヌ・ド・モンタランベール夫人著『伯爵夫人おすすめの個性派美術館 パリのミュゼたち』の中から、4回目の今回は「ヴォー=ル=ヴィコント城」が紹介されました。

 パリから南に約50km――、建築、室内装飾、庭園芸術の分野でヴェルサイユ宮殿のモデルともなった「ヴォー=ル=ヴィコント城」。ルイ14世の大蔵卿ニコラ・フーケが建築させた古城は、あまりの豪奢さに国王が嫉妬したことでも有名です。ブルボン王朝の絶対王政の中心的な人物のひとりであったフーケは、赤字だった国家財政を黒字化させ、その結果、莫大な富を得て美術の収集家、文芸の擁護者ともなりました。「有力な貴族の家柄に生まれたフーケは、若い頃は法律の分野でその才を発揮し、その後、宰相でルイ14世の教育係でもあったジュール・マザランに認められて大蔵卿の地位を獲得しました。しかし、人一倍野心家だったことから私腹を肥やし、その結果、ルイ14世に不信感を与えて最後は終身刑を宣告されました」とライブラリのスタッフが波乱に満ちたフーケの生涯を説明します。

 フーケが破滅への道を歩むきっかけとなったのは、1661年8月17日に行われた祝宴でした。フーケは、彼のライバルで大臣でもあったコルベールに勧められ贅を尽くした祝宴を開催しますが、逆にそのことが王の反感を買ってしまいます。理由は、宮廷を超えるほどの豪華な建物と祝宴の派手な演出に嫉妬したため。祝宴の日からほどなくしてフーケは逮捕。フーケ断罪後は、ヴォー=ル=ヴィコント城にあった彼の紋章をすべてルイ14世のものに代えさせ、さらに王はヴェルサイユ宮殿を建造するためにこの城の建設にあたった芸術家たちを召喚したのです。参加者の方からもルイ14世のあまりの嫉妬ぶりに驚きの声が上がりました。
 またなんといってもこの古城は、東京ドーム約6個分の広さに相当する33haのフランス式庭園が見どころのひとつ。フランス式庭園とは、広大な敷地に、左右対称、幾何学的に池を配し、植栽の人工的整形などを特徴とした庭園を指しますが、この古城の庭園はその傑作として知られており、ヴェルサイユ宮殿もこの部分を一番参考にしたとか。二つとも同じ造園家、アンドレ・ル・ノートルによる設計の庭園ですが、ヴォー=ル=ヴィコント城はフランス式庭園が最も完全な形で実現されているといわれています。配られた城内のマップを見ながら、スタッフが見どころポイントを解説してくれました。「美しい庭園では、5月5日から10月6日までの毎週土曜日に『キャンドルの夕べ』が行われます。2,000本ものキャンドルに照らされて、花火も上がり、往時の祝宴の様子をうかがい知ることができると思います。今年は、この城が一般公開されるようになってから50周年という記念の年。アニバーサリーイベントして開催されますので、ぜひ機会があれば訪れていただきたいと思います」というスタッフの言葉で読書会は幕を閉じました。

 今回、初めて読書会に参加された方は、「訪れたことがない美術館について知ることができる貴重な機会となりました。今後もぜひおすすめの場所を紹介してほしい」と大満足な様子でライブラリを後にされました。ガイドブックでも詳しく紹介されていないような個性豊かな美術館についての知識を得ながら、気軽に参加者同士が交流を深められる読書会。今回もまた、フランスの歴史文化を存分に学ぶことができる充実した1時間となりました。

Update : 2018.10.1

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