カルコグラフィーに見る服飾史 [17世紀−20世紀フランスの服飾]
【監修】田中俊子(国際服飾学会前副会長)
  時代ごとに華やかな変遷を遂げてきたフランスのファッション──。絵画や版画はそのときどきの流行を記録し、今に伝えています。今回MMFギャラリーでは、国際服飾学会の前副会長 田中俊子さんの監修で、ファッションという観点から見たカルコグラフィー(銅版画)の魅力に迫ります。
17世紀“太陽王”ルイ14世は、自らの権勢を国内外に知らしめる手段として銅版画を奨励します。ヴェルサイユやチュイルリー、マルリーといった宮殿の様子を活写した作品群には、当時の最先端のファッションに身を包んだ男女の姿が刻まれています。そのほかにも、マリー=アントワネットの寵愛を受けた女流画家ヴィジェ=ルブラン原画の銅版画に描かれた18世紀末のファッションや、テーラードジャケットを着て颯爽とシャンゼリゼを歩く女性を描いた19世紀のカルコグラフィーなどを紹介。バロックからロココ、そして新古典主義など、芸術様式が変遷した17世紀から20世紀、どのような装いが人々を魅了したのでしょうか。
上記期間中、MMFでは全館で「飾る」をテーマにした展示を行っています。
▲ヴィジェ=ルブラン『ヴィジェ=ルブラン夫人とその娘』
 
▲イスラエル・シルベストル『ヴェルサイユ宮殿 前庭からの眺め』
   
 
展示作品は、ルーヴル美術館カルコグラフィー室が所蔵する銅版画原版を用い、ルーヴル美術館カルコグラフィー工房の現代の職人によって刷りだされたものです。
 
 
作品はいずれもお買い求めいただけます。