『マティス、セザンヌ、ピカソ…スタイン家の冒険』 Matisse, Cézanne, Picasso... L’aventure des Stein
『マティス、セザンヌ、ピカソ…スタイン家の冒険』 Matisse, Cézanne, Picasso... L’aventure des Stein
『マティス、セザンヌ、ピカソ… スタイン家の冒険』
Matisse, Cézanne, Picasso... L'aventure des Stein
29.5×25.5cm/455ページ
フランス語/刊行2011年
本体記載価格/50ユーロ
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 20世紀初頭のパリ、モンパルナスの地に、多くの芸術家が集うサロンが開かれました。サロンの主は、ふたりの“異邦人“。ユダヤ系アメリカ人で、のちにヨーロッパ近代美術の伝説的なコレクターとして知られることになる、スタイン兄弟でした。彼らが築いた主要コレクションが一堂に会する展覧会が、2011年10月から2012年1月まで、パリのグラン・パレ・ナショナル・ギャラリーで開催されました。今回ご紹介するのは、その公式カタログです。

 アメリカ東部の富豪ダニエル・スタインには、5人の子どもがいましたが、中でも美術収集家として後世に名を残したのは、美術批評家の兄レオ(1872-1947)とその妹で詩人・小説家のガートルード(1874-1946)でした。彼らは、大学を出たのちの1903年、パリへ渡りました。そして、セザンヌを手はじめに、ピカソやマティスといった、当時、まだ評価の固まっていなかった前衛芸術家たちの作品を、次々と収集し、彼らの交流の場としてサロンを開き、若き芸術家たちの創作活動を支えました。

 450ページを超えるヴォリュームのこのカタログでは、レオとガートルードをはじめとするスタイン兄弟が、どのようにして世界屈指の美術コレクションを築き上げたのかを、多角的な視点から検証するとともに、彼らの足跡を豊富な古写真とともにたどっています。もちろん、マティスの《緑のすじのあるマティス夫人の肖像》(1905年)やピカソの《サルタンバンクの一家とサル》(1905年)をはじめ、世界各国の美術館やプライベート・コレクションから、今回の展覧会のために集められた傑作も、すべて収録されています。

 アメリカを離れ、パリの地で芸術家を支え続けた兄弟たちのドラマとともに、ヨーロッパ近代美術の精華を楽しめる一冊です。

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