「マキシム・ド・パリ」の輝かしい歴史をひもとく『マキシム パリの写し鏡』Maxim's miroir de la vie parisienne
『マキシム パリの写し鏡』
『マキシム パリの写し鏡』
Maxim's miroir de la vie parisienne
著者/Jean-Pascal Hesse
30.8×24cm/202ページ
フランス語/刊行2011年
発行元/ASSOULINE
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アール・ヌーヴォーのインテリアで
20世紀のセレブリティを魅了

4月13日まで、フランス北東部の街ナンシーでは、ふたつのアール・ヌーヴォー展が開催され、特集記事でもその様子をレポートしています。そして注目の一冊でも、20世紀初頭のアール・ヌーヴォーの華やぎをお伝えするにふさわしい本をセレクトしました。1979年にフランス政府から歴史的建造物に指定されたパリの老舗レストラン「マキシム・ド・パリ」の輝かしい歴史をたどる『マキシム パリの写し鏡』です。

まず目を奪われるのが、真紅の表紙。まるでマキシムの上質なソファーを思わせるかのような表紙をひとたび繰れば、そこには1900年代初頭のパリの社交界のにぎわいが次々に目に飛び込んできます。

マキシムの伝説は、1893年、ウェイターのマキシム・ガイヤールが始めた小さなビストロから始まりました。やがて店は、世界のアーティスト、文豪、王族らが夜ごと集まるパリ随一の社交場へと成長を遂げます。彼らが虜になったのは、マキシムが提供する上等な酒や料理だけでなく、そのインテリアにもありました。当時流行のアール・ヌーヴォー様式を取り入れ、洗練されたマキシム・スタイルと呼ばれた空間で、人々は晩餐と楽しみ、踊り、恋人に愛の言葉をささやきました。

本書ではこうした古き良き時代のマキシムの魅力を、インテリアの写真はもちろん、ポスターやメニューカード、そして膨大な常連客の写真などとともに紹介しています。写真に登場するのは、ココ・シャネル、ジャン・コクトー、マリア・カラス、ジャクリーン・ケネディ、グレース・ケリー、ソフィア・ローレン、アラン・ドロンら錚々たる顔ぶればかり。それはまるで19世紀から20世紀の世界のセレブリティ名鑑のようです。また巻末には、オリジナル料理のレシピも掲載。“マキシムの魔法”を五感すべてで感じられる宝石箱のような一冊です。

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