展覧会公式図録『李 禹煥―ヴェルサイユ』Lee Ufan Versailles
『李 禹煥―ヴェルサイユ』
『李 禹煥―ヴェルサイユ』
Lee Ufan Versailles 
著者/アルフレッド・パックマン
25.2×29.7cm/142ページ
フランス語・英語/2014年
出版社/ Éditions de la Réunion des musées nationaux - Grand Palais
本体記載価格/35ユーロ
※この情報は2014年11月更新時のものです。
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ヴェルサイユ、現代アートプロジェクト第7弾!

フランス17世紀、絶対王政の象徴「ヴェルサイユ宮殿」。歴史と伝統を感じさせるこの絢爛豪華な空間で、毎年、現代美術の展覧会が開催されているのをご存知でしょうか。

2008年のジェフ・クーンズ展以来、恒例となった大規模なアートプロジェクトで、2010年に村上隆展が開催された際には、その作風がヴェルサイユの雰囲気に合わないとして抗議運動が起こるなど、賛否両論のセンセーションを巻き起こしたこともありました。

そして第7回目を迎える2014年、ヴェルサイユがゲストアーティストとして招聘したのは、李禹煥(リ・ウファン)氏。戦後日本で起こった前衛グループ「もの派」の中心的存在として、日本の現代美術を牽引してきた韓国出身のアーティストです。今月は、「李 禹煥―ヴェルサイユ」展の公式図録をご紹介します。

今回の展覧会のために、李氏は50回近くヴェルサイユに通い、天才庭師ル・ノートルが作り上げた“完璧”な庭にどのような展示をしようか模索を重ねたといいます。高さ12mの《ヴェルサイユのアーチ》をはじめとする出品作10点はいずれも新作。カタログには、李氏へのインタビューや、素材との対話を重ねて制作をする李氏の写真も収録されており、78歳のアーティストがもつ創作への尽きせぬ情熱がうかがえます。

石や木、鉄板といった素材を組み合わせて「もの」と「もの」との関係を示す李氏の作品。一方、自然を制して秩序を生み出してきたヨーロッパ芸術の象徴としてのヴェルサイユ宮殿。異なるふたつの芸術が出会うことで生まれる、新たな景観を楽しめる一冊です。

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Update : 2014.11.1
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