『魔法』『ルーヴル横断』
『魔法』『ルーヴル横断』
『魔法』
Un enchantement
著者/クリスティアン・デュリユー
28.2×26.4cm/64ページ
仏語/2011年
出版社/Futuropolis
本体価格/17ユーロ
『ルーヴル横断』
La traversée du Louvre
著者/ダヴィッド・プリュドム
29.7×22cm/78ページ
仏語/2012年
出版社/Futuropolis
本体価格/17ユーロ
※この情報は2016年9月更新時のものです。
MMMでは海外書籍のお取り寄せも承っております。

「ルーヴルNo.9 〜漫画、9番目の芸術〜」
参加アーティストによる、
シニカルな視点と繊細な描写が魅力の漫画本。

フランスは日本の漫画ファンの多い国として知られています。そして、その一方で「バンド・デシネ(BD:ベーデー)」というフランス独自の漫画の伝統があり、日本はもちろん、各国の漫画文化に影響を与えてきました。漫画やコミックというと大衆的な分かりやすい作品を思い浮かべがちですが、BDの特徴は、そうした作品がある一方で、絵画のように複雑で技巧を凝らした作品も多いことが「9番目の芸術」と称されるゆえんです。

現在、東京・六本木の森アーツセンターギャラリーで開催中の「ルーヴルNo.9 〜漫画、9番目の芸術〜」は、まさに芸術としてのBDの魅力にフォーカスした展覧会。2003年に始まった「ルーヴル美術館BDプロジェクト」の約10年間におよぶ成果が、日本で初めて公開される機会です。

そこで今月はMMMライブラリから、この展覧会の参加アーティストによる作品を2冊ご紹介します。いずれも「ルーヴル美術館BDプロジェクト」の一環として執筆されたもの。クリスティアン・デュリユーの『魔法』は、ルーヴル美術館で開催されたパーティの場面から始まります。そしてパーティを抜け出したひとりの政治家が、シュリー翼の展示室で若い女性と出会うと、物語は展開。展示室をめぐるふたりは、いつしか現実世界と絵画世界の垣根を越えて……。一方のダヴィッド・プリュドムの『ルーヴル横断』では、主人公は作者自身。しかし彼がルーヴルの中で見るのは、展示されている作品ではなく、作品を鑑賞し、撮影する来館者たちで……。

フランスらしいシニカルな視点と、繊細な描写が魅力の作品で、絵を見るだけでもじゅうぶんに楽しめる2冊です。ライブラリでは、ほかにも日本では手に入りにくいBDを多数とり揃えています。また、MMM3Fのアートスペースでは、この2冊のほか、今回の展覧会の参加アーティストによる漫画など約100点のタイトルを、展示販売していますので、ぜひ一度、足をお運びください。

※こちらでご紹介する書籍は地下1階のMMMライブラリにて閲覧いただけます。MMM所蔵資料データベースはこちら
Update : 2016.9.1
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