「ロマン派美術館」公式展覧会カタログ『花の力  ―ピエール=ジョゼフ・ルドゥーテ(1759-1840)―』
『花の力 ――ピエール=ジョゼフ・ルドゥーテ(1759-1840)――』
『花の力 ――ピエール=ジョゼフ・ルドゥーテ(1759-1840)――』
著者/カトリーヌ・ド・ブルゴワン
33.1×22.7cm/151ページ
仏語/2017年
出版社/Paris Musées
本体記載価格/29.90ユーロ
※この情報は2017年9月更新時のものです。
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永遠に咲き誇るルドゥーテの花

“花のラファエロ”と称されるピエール=ジョゼフ・ルドゥーテ。王妃マリー=アントワネットやナポレオン皇妃ジョゼフィーヌ付きの植物画家として愛されたルドゥーテは、日本でも幾度も展覧会が開催されている人気画家です。MMMのブティックでもルドゥーテ関連のグッズは、いつも好評をいただいています。

今月ご紹介する1冊は、2017年4月から10月末までパリのロマン派美術館で開催されているルドゥーテの展覧会図録です。

ルドゥーテが描く植物画の魅力は、二つあります。一つは植物学的な資料として十分な価値を備えている点です。ルドゥーテは、その高い技術と観察眼によって、複雑な植物の造形を細部に至るまで正確にとらえることができました。本書では、時折挟まれる拡大図によって、花々のしべや花弁の1枚1枚まで、ルドゥーテがいかに植物の特徴を的確に描き出しているかを改めて知ることができます。

そして二つ目のルドゥーテの魅力は、その芸術的価値です。ルドゥーテによって永遠の命を吹き込まれたかのような生き生きとした花々は、見飽きることがない優美さを保ち、多くの人々を魅了し続けています。本書では、そんな魅力を存分に感じられるように、大判の図版を掲載し、また繊細な色までも忠実に再現しています。

植物学的な正確さと芸術的な美しさの両面を兼ね備えるルドゥーテの植物画。その神髄に触れることができる一冊です。

※ここでご紹介する書籍はMMM地下1階のライブラリで閲覧いただけます。MMM所蔵資料データベースはこちら
Update : 2017.9.1
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