「パリの美術館・博物館〜その歴史と建築、装飾〜」
   
芸術と知識、そして文化の宝庫であるミュゼ(美術館・博物館)──。パリにはじつに、130以上もの美術館・博物館があります。かつて、16世紀の人々はミュゼに崇拝の念を抱いていました。そして、すべてが変わりゆく現代社会においても、フランスの人々は、自国に受け継がれる遺産を深く敬愛してやみません。パリのミュゼは、そんな人々の想いが詰まった宝石箱のような存在なのです。
パリの美術館を紹介する書籍は数多くありますが、ルーヴル美術館館長であるアンリ・ロワレット氏が序文を記したこの本は、なかでもその建築に焦点が当てられた一冊。もちろん、建築のことだけでなく、ミュゼができるにいたった歴史的背景やその変遷などが、分かりやすく解説されています。写真などのビジュアルが美しく豊富なうえに、美術館の分布図や、美術館別・建築家別の索引もあり、とても利用しやすくなっています。
Les Musées Parisiens
Histoire, architecture et décor
25.5 X 28.5cm/303ページ
フランス語/刊行:2004年
序文:アンリ・ロワレット
本体記載価格/40ユーロ
MMMでは海外書籍のお取り寄せも承っております。
総論にあたる第1部は、美術館史や建築の専門家・研究家らがまとめたものです。王室コレクションの珍品室に始まり、革命政府下に設立された美術館・博物館が、19世紀、20世紀という発展と飛躍の時期を経て、今日にいたるまでの歴史と変遷を分かりやすく紹介。第2部では、地区ごとに76の美術館をとりあげ、詳しく解説しています。そして、第3部では、それぞれの美術館の所蔵作品を紹介しています。ルーヴル美術館やオルセー美術館、ポンピドー・センター、国立自然史博物館、国立工芸美術博物館といった大規模なミュゼのほか、ヴィクトル・ユゴーの家やローラン・ギャロスのテニス博物館など、あまり知られていないミュゼが掲載されているのも、この本の魅力のひとつです。
私たちをパリの美術館と、その深い歴史の世界へと誘ってくれるこの一冊をひも解いてみませんか。
※こちらでご紹介する書籍はMMFインフォメーション・センターにて閲覧いただけます。