「近代美術コレクション―  ポンピドー・センター   国立近代美術館コレクション」
 

ヨーロッパ随一の近現代美術の殿堂。 そのコレクションに触れる
 1977年の設立時には、鉄骨とチューブ剥き出しの外観で物議を醸したポンピドー・センターですが、今やパリでもっとも来館者の多い美術館のひとつとなりました。今月は、センターから届いたばかりの最新の主要作品カタログをご紹介。設立から30年を経て、ヨーロッパ随一の近現代美術の殿堂となった同センターのコレクションに触れてみませんか。

 ポンピドー・センターは美術や音楽、映像などの現代芸術の総合施設ですが、その中核をなすのが、国立近代美術館。設立当初は約1万7,000点だったそのコレクションも、2006年には6万点を超えるまでになりました。コレクションの発端は、1947年にリュクサンブール宮殿内に開館し、現在の国立近代美術館の前身となった美術館の収蔵品で、ボナールやブラック、シャガール、カンディンスキー、ピカソなどの作品でした。そして、ポンピドー・センターへ移転後に、コレクションはさらに拡充してゆき、フォーヴィスムからキュビスム、シュルレアリスム、ポップ・アートなどの20世紀美術、さらには現代美術を網羅するものとなりました。ヨーロッパ随一、世界的にみても同美術館と肩を並べられるのは、ニューヨーク近代美術館(MoMA)だけという素晴らしいコレクションです。
 本カタログは、そのなかから、1920年以前に生まれた720名のアーティストの主要作品を選出し、事典形式で紹介。
 
「近代美術コレクション―ポンピドー・センター
国立近代美術館コレクション」
COLLECTION ART MODERNE
La collection du Centre Pompidou Musée national d'art moderne
19.7×24.6cm/637ページ
フランス語/刊行2006年
序文/アルフレッド・パクマン(国立近代美術館館長)
本体記載価格/49.9ユーロ

MMMでは海外書籍のお取り寄せも承っております。
 
20世紀初頭、フォーヴィスムの作品から、ピエール・スーラージュやルイーズ・ブルジョワらの作品までが詳細な解説、作家の略歴とともに収録されており、20世紀美術を系統的に俯瞰するには最適の一冊です。
 このほか、1920年以降に生まれた作家の作品を紹介する「現代美術コレクション」、1965年から2005年の作品を紹介する「ニュー・メディアコレクション インスタレーション1965-2005」もあります。