『イサドラ・ダンカン(1877-1927)“生きた彫刻”』


『イサドラ・ダンカン(1877-1927)“生きた彫刻”』
Isadora Duncan (1877-1927) "Une sculpture vivante"
22×27cm/366ページ
フランス語/刊行2009年
本体記載価格/39ユーロ
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20世紀初頭のパリで、多くの芸術家を魅了した女流舞踊家
その類まれなる個性に迫る特別展のカタログ

モダン・ダンスの始祖として知られるアメリカの女流舞踊家イサドラ・ダンカン(1877-1927)。サンフランシスコに生まれた彼女は、幼い頃から古典舞踊を学ぶものの飽き足らず、やがて「自然に帰れ」をモットーに、感情のおもむくままに踊る<dance libre(自由なダンス)>を創出しました。1897年に始まったソロ・リサイタルはヨーロッパ各地で成功を収めています。本書は、フランスにおけるダンカンに焦点を当てた特別展(2009.11.20-2010.3.14/ブールデル美術館)の公式カタログです。

ダンカンが初めてフランスの地を踏んだのは、1900年、パリ万博の年でした。バレエ・シューズやタイツを脱ぎ捨て、古代ギリシア風の薄いチュニックを身にまとい、自由に、自然に人間を賛美して踊るダンカン。<裸足のイサドラ>のダンスは、サロン文化華やかなりし当時のパリで大きな話題を呼び、1903年にはサラ・ベルナール座で正式にデビューを果たしました。ダンカンの革新性にとりわけ魅了されたのは、芸術家や知識人でした。

彫刻家ロダン、画家カリエール、詩人コクトー……。ダンカンを評価した芸術家は枚挙にいとまがありませんが、1893年から15年にわたってロダンの助手をつとめた彫刻家アントワーヌ・ブールデルもまた、ダンカンをミューズとした芸術家でした。今回の特別展では、ブールデル美術館が所蔵する、ブールデルによるダンカンのデッサンや彫刻、写真を中心に、世界中からダンカンに関する貴重な資料が集められました。

その展示作品をフルカラーで掲載するのが本書。贅沢に紙幅を用いて大きく印刷されたブールデルのデッサンや彫刻から、ダンカンの躍動感溢れる世界が感じられる一冊です。また、執筆陣は、ブールデル美術館やフランス国立科学研究センター、フランス音楽研究所、ガリエラ美術館といったミュゼの学芸員、舞踊研究家とじつに多彩。美術史的、舞踊史的、風俗史的とさまざまなアプローチから、イサドラ・ダンカンの世界をひもといていきます。

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