カルチャーガイド『文化遺産の道程』

『文化遺産の道程』
ITINÉRAIRES
11.3×22.4/各60〜70ページ
フランス語版(一部日本語版・英語版)


MMMでは海外書籍のお取り寄せも承っております。

『サント=シャペル』の号では、ステンドグラスの図像の詳しい解説も

『パレ・ガルニエ』の号では、使われている大理石の種類の一覧も

MMFwebサイトのマダムのミュゼ訪問では、パリのシテ島にあるコンシエルジュリーを紹介しています。コンシエルジュリーといえば、フランス革命の際にマリー=アントワネットが幽閉された牢獄として有名ですが、もともとは中世にフランス王が暮らした宮殿。現在では、隣接するサント=シャペルとともに、それぞれがフランスの文化遺産(Monument nationaux)に登録されています。

現在フランスでは、およそ100件の歴史遺産が国の文化遺産に登録され、年間900万人もの観光客を集めています。その管理と運営を担うのは、文化省の管轄下にある文化財センター(Centre des Monuments Nationaux)。今月、紹介するカルチャーガイド『文化遺産の道程』は、このセンターが発行する、フランス文化遺産の公式ガイドブックです。

一冊60ページ前後と、とてもコンパクトな冊子ですが、その内容は実に充実しています。例えば、『コンシエルジュリー』の号であれば、王宮から裁判所、そして牢獄と、時とともにその役割を変えていったこの遺産の歴史の流れが、簡潔に解説されています。図版が豊富なことも、このガイドの特徴です。遺産を紹介する写真のほか、《ベリー侯のいとも豪華なる時祷書》をはじめ、コンシエルジュリーの歴史に関連する写本や絵画作品などが、オールカラーで掲載されています。イヤホンガイドのような分かりやすさと、資料性を兼ね備えたリーズナブルな一冊。ご旅行に携帯するにはぴったりのシリーズです。

現在、約80冊まで刊行されている『文化遺産の道程』シリーズ。MMFインフォメーション・センターでは、主な文化遺産の一部を閲覧いただけます。注文も受け付けておりますので、お問い合わせください。