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エスコフィエ料理博物館
料理はフランスが誇る生活芸術のひとつ。
その素晴らしさを世界に知らしめる一翼を担ったのが、
20世紀初頭のベル・エポックの時代に、パリ、ロンドンなどの一流ホテルで
料理長を務めたオーギュスト・エスコフィエです。
エスコフィエが残した業績を讃え、また多くの料理人が築き上げたフランス料理の
伝統を辿るために、料理博物館がエスコフィエの生家に作られました。
フランスでも唯一の料理専門博物館です。
フランス料理の歴史を辿る
▲エスコフィエのサインがある1902年6月24日のカールトン・ホテルでのガラ・ディナーのメニュー。
 続いてフランス料理の伝統を伝える展示室があり、18世紀、19世紀のこの地方の典型的な台所や銅製の型などを見ることができます。また歴史的な晩餐や有名店のメニュー約3,000枚を所蔵し、随時500〜600枚を展示しています。最古のものは1820年のものです。
 博物館の創設者ドノンは、エスコフィエにとり立てられてアメリカに渡り、ファンダービルト家で長く働いた人ですが、彼は当時の豪華な食器一式も寄付しています。またフランス菓子に欠かせない華麗で繊細な飾り付け作品が幾つも並んでおり、職人の熟練した腕前にはただ感心するばかりです。フランス料理の歴史を説明するパネルでは、その変遷を図解で辿ることができます。また、17世紀から現代までの料理に関する2,500の文献を集めた部屋は、学生や研究者、愛好者が利用できるようになっています。
現代のシェフたちを紹介するコーナーでは、季節毎にひとりのシェフが選ばれ、シェフ愛用のトック(コック帽)やエプロン、食器一式、店で出しているメニューなどが展示されます。地下のカーブでは企画展が行われます。
 
▲現代のシェフ紹介コーナー。
▲中国の食器を使ったドノンの食卓。
師の偉業を讃えるために作られた博物館
▲日本エスコフィエ協会の展示棚。
 料理人として初めてレジオン・ドヌール勲章を授与され、多くの料理人たちの規範となったエスコフィエにちなんで、料理人たちが集うエスコフィエ協会が世界中に作られました。アメリカ、日本、モナコなど、各国の活動の様子が紹介されている部屋が特別に設けられています。ときどき協会員たちがこの博物館やエスコフィエの墓を参りにやってくるそうです。このように料理人たちの連帯を強めたことも、エスコフィエの功績のひとつといえるでしょう。
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田中久美子(Kumiko TANAKA/文・写真) ページトップへ
▲小さなレストランが並ぶヴィルヌーヴ・ルーベの博物館界隈。
 
エスコフィエ料理博物館
所在地
 
3, Rue Auguste Escoffier
06270 Villeneuve-Loubet Village
Tel
 
33 (0)4-93-20-80-51
Fax
 
33 (0)4-93-73-93-79
開館時間
 
14:00-18:00
(7〜8月は19:00まで開館)
※水曜・金曜日は午前(10:00-12:00)も開館
休館日
 
土曜、祝日、11月
入館料
 
一般:5ユーロ
学生:2.5ユーロ
団体割引:3ユーロ
(20名以上のグループ)
※11歳未満は無料

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