シャンポリオン博物館
古代エジプト文字「ヒエログリフ」を解読したことで知られる
ジャン=フランソワ・シャンポリオン。フランス南西部、
トゥールーズ近くの町フィジャックにある彼の生家が博物館として
一般に公開されるようなったのは1986年のことでした。
それから約20年の歳月を経た今年7月、シャンポリオン博物館は、
「世界の文字」をテーマとした新たな博物館として生まれ変わりました。
拡張工事を経た装い新たな展示スペースで紹介されるのは、
古代エジプトに関わらず、世界中のさまざまな文字の歴史。
ヨーロッパで唯一の本格的な文字のミュゼ、
そのユニークな世界をご紹介します。
  © Nelly Blaya / CG46 -Architecte : Agence Moatti & Rivière
 
“エジプト学の父” シャンポリオン ヨーロッパで唯一の 「世界の文字」博物館 8つの展示室で巡る 文字の歴史
ヨーロッパで唯一の「世界の文字」博物館ヘ 開館から20年の歳月を経て始動したプロジェクト
▲《亡きネフェリウの「死者の書」》 紀元前3-1世紀、エジプト
© Nelly Blaya / CG46
 シャンポリオンが生まれ育ち、そして多忙を極めた晩年の日々にも時折立ち寄っては、家族との時間を過ごしたその生家は、フィジャック市によって買い取られ、1986年、博物館として開館しました。当初は、古代エジプト、とりわけヒエログリフに関するコレクションを中心に展示していましたが、歳月を経て、新たなプロジェクトが実現されることになったのです。
 マリー=エレーヌ・ポティエ(Marie-Hélène Pottier)館長の指揮のもと始動したこの「世界の文字」プロジェクトには、文献学者、言語学者、考古学者、歴史学者、カリグラフィストなど各分野の傑出した専門家が参加し、コレクション拡充の方向性を検討し、学術プログラムの構成にあたりました。さらに、多くの寄贈品も加えられたことで、シャンポリオン博物館は、シャンポリオンの業績を中核に、楔形文字、ヒエログリフ文字、漢字、マヤ文字の4つの文字の誕生から今日に至るまでの、5300年にわたる文字の歴史を辿ることのできるコレクションを有するまでになったのです。
▲古代エジプトの天空神ホルスの頭部像 紀元前7-6世紀、エジプト
© Nelly Blaya / CG46
▲アンダルシア地方で作られたコーランの断片12-13世紀、スペイン
© Musée Champollion
▲彩色装飾が施された聖書 13世紀、フランス
© I.R.H.T.
 その豊富なコレクションから常時展示されているのは約600点。《亡きネフェリウの「死者の書」》(紀元前3-1世紀)やミイラ、エジプトの神々を表す彫像などの古代エジプトの神秘を伝える発掘品のほか、12〜13世紀のスペイン、アンダルシア地方で作られたコーランや彩色装飾が施された13世紀の聖書といった美術品を通じて、世界各地でそれぞれの歴史を刻み続ける文字の世界へと訪れる者を誘います。
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“エジプト学の父” シャンポリオン ヨーロッパで唯一の 「世界の文字」博物館 8つの展示室で巡る 文字の歴史
©Musée Champollion
 
シャンポリオン博物館
URL
 
http://www.ville-figeac.fr/
所在地
 
Place Champollion 46100 Figeac
Tel
 
33(0) 5-65-50-31-08
E-mail
 
musee@ville-figeac.fr
開館時間
 
<10月〜3月>
14:00-17:30
<4月〜6月、9月>
10:30-12:30、14:00-18:00
<7月〜8月>
10:30-18:00
休館日
 
月曜日(ただし、7月〜8月は毎日開館)
1月1日、5月1日、12月25日
入館料
 
一般:4ユーロ
団体:3ユーロ
割引料金(13歳〜18歳・学生・研究者):2ユーロ
※12歳以下は無料
※7月・8月を除く毎月1日は無料
フィジャック基本情報
フランス南西部、ミディ・ピレネー地方の北端、オーヴェルニュ地方との境に位置する町。この地方の中心都市トゥールーズからは120km弱。細く入り組んだ路地や、中世のままの邸宅や庶民の家を残した中世都市で、フランス文化庁によって「芸術と歴史の町」指定されている。
アクセス
 
<飛行機>
パリからトゥールーズ、ローデズ、ブリーヴ、オーリヤックなど各町の空港へ
<列車>
パリからローデズ行き列車でフィジャッ(Figeac)駅下車
<車>
高速道路A20、56番出口(Labastide-Murat)
フィジャック市観光協会
 
http://www.ville-figeac.fr/

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