パリから電車で約1時間。シャルトルは、フランスのかつての中心的地域であった、ウール川(Eure)とロワール川(Loire)(Eure-et-Loir)に挟まれた豊かな土地、ウール・エ・ロワール県の県庁所在地です。聖母マリアの聖遺物が納められたノートルダム聖堂のあるシャルトルは、古くから巡礼地として栄えました。かつての巡礼の道を進むと、地平線のかなたに天にそびえるような尖塔が姿を現します。
1979年にユネスコの世界遺産に登録された、大聖堂の建築が始まったのは1145年。火災などの災難を受けながらも、1220年頃にはほぼ現在の形ができあがります。ゴシック建築の傑作として称えられる大聖堂の名をさらに高めているのは、その保存状態が極めて良好なステンドグラスです。全長130メートル、幅が46メートルに及ぶ壮大な空間の壁という壁の窓には、すべてステンドグラスがはめ込まれ、その数は176枚ということです。 |