セレ近代美術館
  フランスの南西部、スペインとの国境付近に
位置するセレ。20世紀初頭、この地には多く
の画家たちが移り住むようになりました。
やがて彼らの美を追求する情熱は、
美術館設立への原動力となったのです。
20世紀の新進 アーティストを惹きつけた 小さな町セレ セレの町を愛した画家の 情熱が生んだ美術館 注目の夏の展覧会  「ハンガリーのフォーヴ、 1904-1914」
セレ近代美術館
20世紀の新進アーティストを 惹きつけた小さな町セレ
▲カニグー山の麓に広がるセレの町。
© Michiko HYUGA
 20世紀初頭は、国家的な観光事業の推進にともない、フランス各地に次々と観光地が誕生した時代です。印象派の画家を皮切りに、多くの芸術家が新たな主題を求めて旅に出ることが定着しつつあった当時、美術界を担う新たな才能マティス(Henri Matisse)もまた、親友の画家ドラン(André Derain)らとともに、フランス各地へ旅に出かけました。そして1905年、マティスとドランは、その後の美術史を大きく変えることになる、ある場所と出会うことになります。
 彼らが愛したその地は、フランス南西部にある、中世からの港町コリウール。この地の輝く陽光と開放的な色彩に魅せられた二人は、やがてフォーヴィスムと呼ばれる革新的な様式を生み出すことになったといわれています。
 そしてそのコリウールからほど近い場所にあるのが、セレの町でした。コリウールに遅れること5年ほど後から、セレにも多くの芸術家が集まり始めます。
▲14世紀に造られたセレの町の伝説の悪魔橋。
© Michiko HYUGA
フランス人作曲家のデオダ・ドゥ・セヴェラック(Déodat de Séverac)やモディリアーニ(Amedeo Modigliani)とも交流のあった画家フランク・バーティー・ハヴィランド(Frank Burty Haviland)など、おもにパリで活躍していたアーティストたちが都会にはない空気に憧れ次々にこの地を訪れるようになりました。そして1916年までにはピカソ(Pablo Picasso)やスペイン出身のホアン・グリス(Juan Gris)、フランス人画家ピカビア(Francis Picabia)などが好んで滞在し、若きキュビストたちの聖地のような場所となったのです。以降セレは、半世紀にわたって20世紀を飾るアーティストたちの居住地として知られ、今日でも彼らの足跡を辿って多くの美術ファンが訪れています。
取材:日向倫子(Michiko HYUGA)


URL
http://www.musee-ceret.com
所在地
8, Boulevard Maréchal Joffre - B.P. 60413 - 66403 CERET CEDEX
Tel
33 (0)4 68 87 27 76
Fax
33 (0)4 68 87 31 92
開館時間
10 :00〜19 :00
休館日
10月1日〜4月30日:火曜日
上記以外の期間は無休
入館料
一般 :8ユーロ
割引料金:6ユーロ
※常設展・企画展共通
※12歳以下は無料
アクセス
ペルピニャン( Perpignan)より高速バスで約40分。

展覧会情報
「ハンガリーのフォーヴ 1904〜1914」
セレ近代美術館
会期:2008.6.20〜2008.10.12
http://www.museeceret.com/
mam/exposition.php?expo=
119&npage=1
マティス美術館
(ル・カトー・カンブレジ)
会期:2008.10.25〜2009.2.22
http://www.tourisme-cambresis.fr/page-11611-exposition-fauves-hongrois-1904-1914.html
ディジョン美術館
会期:2009.3.13〜2009.6.15
http://www.dijon.fr/sortir/les-musees.php
「ハンガリーのフォーヴ1904-1914」は、上記3つの美術館で開催される巡回展です。
20世紀の新進 アーティストを惹きつけた 小さな町セレ セレの町を愛した画家の 情熱が生んだ美術館 注目の夏の展覧会  「ハンガリーのフォーヴ、 1904-1914」
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