Francais 日本語 縁日博物館
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さあ、まずは可愛らしいガイドのディアンヌに従って、わたくしたちのツアーを始めることにいたしましょう。豪華な装飾が施された広場を抜けると、かの有名な「ヴェネツィアン・サロン」が、みなさまを迎えてくれます。一歩中へ入ると、そこはまさにヴェネツィア。サロンの装飾は、カーニバルの時期の、ヴェネツィアの18世紀の館を彷彿とさせるもので、街のシンボルにもなっている「嘆きの橋」もあります。そして大運河を進んだところにあるのが、パレード用の豪華なゴンドラが連なるメリー・ゴーランドです。メリー・ゴーランドには遠慮なさらずに、ぜひ乗られてみてくださいね。そうすればBGMに合わせてサロン・ド・ミュージックまでの散歩を、ぞんぶんに楽しんでいただけることでしょう。この世界を楽しむための一番の方法は、想像力に身をゆだねることです。わたくしは、サロンにあるあまりにも美しい装飾や鏡の飾りにすっかり魅了されてしまいました。想像力の翼を広げれば、まるでカーニバルのお祝いをするためにセレニシマ共和国のもっとも美しい部屋の一つに招待されているかのような、そんな心躍る空想の世界を旅することができるかもしれません。


▲ラ・ピアッザ。
©A. de Montalembert

▲「ヴェネツィアン・サロン」の嘆きの橋。
©Les Pavillons de Bercy

▲「ヴェネツィアン・サロン」の宙を舞う馬。
©Les Pavillons de Bercy


▲バルコニーで歌声を披露するドージェ。
©Les Pavillons de Bercy

音楽に合わせて動く鏡のゆらめきや幻想的な照明は、お祭りの雰囲気をほんとうによく醸し出しています。そして、わたくしがもうひとつとても興味をひかれたもの。それは曲面鏡に映し出される人々の姿です。この鏡はあらゆる人に、異なる像を見せてくれます。こうしたさまざまな仕掛けが、この博物館の魅力ひとつひとつになっているのです。とりわけ、有名なオペラのアリアに合わせて機械仕掛けの自動人形が演じるコメディア・デラルテの見世物に、わたくしは驚かされるばかりでした。ヴェネツィアを象徴する歴史上の人物たちが、みな歌い、演じます。低く魅惑的な声をもつ威厳のある総督は、豪華なマントを身にまとい、バルコニーに現れます。またカサノヴァやアルルカンにも会えますし、カラフルなスカートをはいたコロンビーヌは天井の梁につるされています。少し離れたところでは、馬たちまでもお祭りに加わって、わたくしたちの頭よりも高く飛びあがってダンスを繰り広げてくれるのです。


▲ベルギーのオルガン。
© Les Pavillons de Bercy

さぁ、ディアンヌの案内について縁日博物館のパビリオンの中へと入っていくことにいたしましょう。ここは広さ1700u。わたくしたちはベル・エポック時代の縁日のただ中にいます。豪華な装飾はみな本物。「騎馬パレードの間(カルーゼル・サロン)」に入るとすぐに、みなさまはそこにある展示品の重要性に気づかれることでしょう。フランスの歴史上の有名人ジャンヌ・ダルク(1412-1431)やバヤール(1476-1524)の彫像が、華やかに装飾された台座に立っているのです。その大きさに、わたくしは圧倒されました。さらに、ベルギーに起源をもつ、たいへん大きなフェアグランド・オルガンが奏でる音楽の旋律は、盛大なお祭りの印象を盛り上げてくれます。オルガンはパンチカードで作動する伝統的なもので、カード1枚1枚に、1曲のメロディーが刻まれていました。


▲メリー・ゴーランド。
© Les Pavillons de Bercy

そして、いよいよわたくしたちは、縁日博物館が生きた博物館であることを感じさせてくれる、空間に足を踏み入れることになります。博物館を訪れた人は誰もが、多くのアトラクションを楽しむことができます。まずは縁日の象徴でもある、木馬のメリー・ゴーランドのご紹介から始めましょう。ここの馬は、19世紀末のドイツで製造されたものです。ぜひ遠慮なさらずに、飛び跳ねる馬にお乗りください。そのほうが動かない馬を観ているより、ずっとこの博物館の本質を感じていただけるはずです。でも、どうぞ注意なさってくださいね。馬たちの中心にある船が、動かないものとはお思いにならないで。この船は縦揺れをするので、もし船酔いをされる方であれば、気をつけられたほうがよいですね!

次にディアンヌが案内してくれたのは、カフェのギャルソンレースのゲームです。このゲームは器用さと迅速さを必要とするもの。自分のギャルソンをできるだけ早く前に進めるため、小さなボールを穴の中に入れていきます。時を忘れて楽しんでしまうほど、とても面白いゲームです!また、日本式ビリヤードゲームなども置いてありますので、ぜひみなさまの腕を披露されてみてください。


▲ジャンヌ・ダルクの彫像。
©Les Pavillons de Bercy

▲ジャンヌ・ダルクとバヤールが出迎える縁日博物館のパビリオン。
©Les Pavillons de Bercy

▲ギャルソンのレース。
©Les Pavillons de Bercy


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