リール、カレー、ダンケルク
グラーヴェリン、ブルブール
北フランスのミュゼレポート2009
注目の文化の発信地ノール=パ・ドゥ・カレー地方〜リール、カレー、ダンケルク〜
“ヨーロッパ文化の  首都”リール
ロダンの彫刻と レースの街カレー
フランス第3の 港湾都市ダンケルク
アンソニー・カロ大回顧展
ロダンの彫刻とレースの街カレー
▲市庁舎前にあるロダンの≪カレーの市民≫
© Michiko HYUGA
 ランスから北西に約100km。ドーバー海峡に臨むカレーは、古代ローマの時代からブリテン島とヨーロッパを結ぶ中継地として栄えてきました。現在では英仏海峡トンネルのフランス側の玄関口となっています。14世紀初頭から15世紀にかけて、フランスの王位継承をめぐり英仏との間で繰り広げられた百年戦争の折には、この街は長期間包囲され市民が飢餓に苦しみました。そのとき、街の指導者だったサン・ピエール(Saint Pierre)をはじめ有力市民6人がイギリス王エドワード3世(Edward III)の要求のまま、無帽、裸足といった屈辱的ないでたちで出頭し、多くの市民の命を救ったという有名なエピソードがあります。この英雄譚を迫真の表現で表わしたのが、1895年に制作されたロダン(Auguste Rodin)の代表作≪カレーの市民≫です。
▲レンガ造りの美しい姿を見せる市庁舎。
© office de tourisme de Calais Côte d'Opale
 現在≪カレーの市民≫は市役所広場に、伝統的な高い台座ではなく、鑑賞者と同じ目線になるよう置かれています。
レース美術館
1836年に市によって創立された美術館で、19世紀初頭から管理されていたレースのコレクションが充実。第二次世界大戦中の1940年、ドイツ軍によって建物は破壊され、名画300点が行方不明となる悲劇に見舞われましたが、26年の歳月を経た1966年、現在の美術館が新設されました。数年前から、レースのコレクションとほかの美術品を分けて展示する計画が立てられ、現在は8000m2もの広さを誇る元レース工場の改装工事が進められています。2009年春には、「レース・モード国際センター」(La Cité internationale de la dentelle et de la mode)」として、世界でも珍しいレースをテーマにした美術館が誕生する予定です。
コレクション
手編み、機械編みレース、服飾、古代美術、ロダンをはじめとした19〜20世紀の彫刻、現代美術、英国の写真や彫刻など。
▲美術館外観。
© Musée des beaux-arts et de la dentelle de Calais
▲特別展で沸く1階展示室。アンソニー・カロの≪La mort d'Hector≫の作品解説をする学芸員Barbara Forestさん。
© Michiko HYUGA

取材:日向倫子(Michiko HYUGA)

“ヨーロッパ文化の  首都”リール
ロダンの彫刻と レースの街カレー
フランス第3の 港湾都市ダンケルク
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レース美術館
  • 所在地
    25 rue Richelieu 62100 Calais
  • Tel
    +33(0)3 21 46 48 40
  • E-Mail
    musee@mairie-calais.fr
  • URL
    www.mairie-calais.fr
    (美術館、観光情報)

  • 開館時間
    <月曜-金曜>
    10:00-12:00、14:00-17:30
    <土曜>
    10:00-12:00、14:00-18:30
    <日曜>14:00-18:30

  • 休館日
    火曜、祝日
カレー観光情報
MMFで出会える北フランスの美術館
  • URL
    北フランスには、今回ご紹介した美術館のほかにも「ラ・ピシーヌ、ルーベ工芸美術館」など、多くの美術館があります。MMFのB1Fインフォメーション・センターにて関連図書を閲覧いただけます。

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