「マティスとロダン」

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ロダン美術館の外観
© Paris - Musée de l'Armée, Dist. RMN / Christian Moutarde
ロダン≪ダンスEの動き≫1911年
© musée Rodin - Photo : C. Baraja

 ほぼ一世代違う二人の偉大なアーティスト、アンリ・マティス(Henri Matisse)とオーギュスト・ロダン(Auguste Rodin)の作品を同時に展示します。ロダンが<近代彫刻の父>と称される一方、マティスは、ロダンと同じ時代を生きた20世紀の最初の17年間で、<絵画における色彩の革命家>としての道を歩み出しました。二人のアーティストの出会いやその交流に関しては、これまで扱われることはなく、新しい試みとして注目の展覧会です。

 マティスとロダンが初めて出会ったのは、1899年のことでした。この時マティスは30歳、ロダンは60歳。親子ほど年の離れた二人でしたが、彫刻に対しても、デッサンに対しても共通の好みを持っていたようです。マティスはロダンと同様、彫刻作品を制作する際には、石を削る方法よりも粘土などのやわらかい素材を使い、原型制作することを好みました。また、デッサンのうえでも、二人のアーティストにはテーマ上の、また様式上の類似性が見られます。ロダンのデッサンは非常に高く評価されています。時代が大きな変容を遂げようとしていた世紀の変わり目にあたる当時、ロダンのデッサンに見られる力強く自由な人物像は、若い芸術家たちに大きな影響を与えていました。ロダンと交流のあったマティスは、ロダンのデッサンを目にし、その制作方法を知ることができたといわれています。

 展覧会では、フォーヴィスムの巨匠マティスがロダンに何を見出したのか――、さらにマティスの作品におけるロダンの彫刻との類似性や違いなどをテーマに掲げています。また、絵画だけでなくマティスが制作した彫刻作品も多く展示されます。マティスの彫刻とデッサンを掘り下げることで、ロダンの新たな魅力やその偉大さを再発見することができるでしょう。

 この展覧会は、ニースのマティス美術館とロダン美術館の作品を中心に、その他の公立美術館やプライベート・コレクションの作品で構成されます。

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