「皇后ウジェニーの食卓。王宮の食事係」

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セバスティアン=シャルル・ジロー≪マティルダ皇女の食堂≫1854年
© RMN / Jean-Gilles Berizzi

 フランス第二共和制の皇帝ナポレオン3世(Napoléon III)の皇后ウジェニー(Eugénie)といえば、オーストリア皇后エリザベート(Elisabeth)と並ぶ19世紀半ばのファッションリーダーとして余りにも有名です。本展では、その美貌の皇后ウジェニーの食卓をはじめ、皇帝ナポレオン3世の住居やコンピエーニュ城(Château de Compiègne)、チュイルリー(Palais des Tuileries)、サンクルー(Château de Saint-Cloud)、フォンテーヌブロー(Château de Fontainebleau)などの宮殿で行われた晩餐会の様子を再現します。宮殿での晩餐会は、皇帝がその権力を人々にアピールする場であったと同時に、宮廷人たちの楽しみの場でもありました。

 家族で囲む親密な食卓から、豪華な公式ディナーまで、宮殿ではさまざまな食事が用意されていました。例えば、ほとんどゲストを招かず皇帝一家だけで過ごすプライベートな食事や公式なレセプションで多くの宮廷人や招待客が集い、決められた作法(プロトコール)にもとづいた食事など。

 今回の展覧会では、絵画や版画などに描かれたテーブルセッティングの様子や同時代の証言をもとに、宮廷の食卓をできるだけ忠実に再現します。さらに、ナポレオン3世がセーヴル陶磁器製作所やクリストフルなどの有名業者に注文したテーブルウェアなどがあわせて展示され、晩餐会などで実際に使われたテーブルをはじめとした家具なども、ご覧いただくことができます。

 単なるテーブルセッティングの展示だけでなく、皿やリネン類などの管理、メニューの選定、調理といった晩餐会の舞台裏や、サービスをする食事係の役割についても触れる本展は、私たちにも身近な食卓といったテーマを通して、19世紀のフランス宮廷を垣間見られる貴重な機会となることでしょう。

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