偉人が眠る記念の地−アンヴァリッド

軍事博物館 © musée de l'Armée - Paris / Pascal Segrette

アンヴァリッドにある軍事博物館は、フランスの戦争の歴史を膨大なコレクションとともに振り返ることができる、世界屈指の軍事に関する博物館です。

すべての展示室を一新した 軍事博物館の<アテナ計画>

▲フランソワ1世の甲冑がある<中世部門>の展示室

 この博物館が創設されたのは1904年のこと。18世紀末にアンヴァリッド内に設立された<大砲博物館>と、1889年のパリ万博をきっかけに開館した<軍事歴史博物館>を統合するかたちで誕生しました。武器や武具の展示はもちろん、軍服、絵画、装飾品、紋章など、多彩なコレクションで、13世紀から20世紀に至るフランスの軍事の歴史を紹介しています。

 軍事博物館では2003年より、武器(Armes)、技術(Techniques)、歴史(Histoire)、象徴(Emblèmes)、国家(Nations)、軍(Armée)のそれぞれの頭文字をとり<アテナ(ATHENA)計画>と題された大々的な改装工事が行われました。コレクションの価値を引き立たせる「より美しい展示」「より理解しやすい展示」を目的としたこのプロジェクトでは、すべての部門において展示品が改めて厳選され、順次リニューアルしていきました。

▲<中世部門>にある日本の鎧兜のコレクション
© musée de l'Armée - Paris / E. Cambier

今年の3月には<近代部門>が再開館し、博物館の展示室部分の工事はすべて完了しました。既存のセクションの改装だけでなく、2008年には、20世紀前半に活躍した将軍シャルル・ド・ゴール(Charles de Gaulle)の記念館も、<アテナ計画>の一環として新しく完成しました。

軍事にまつわる世界屈指のコレクション

▲<近代部門>の剣のコレクション
©Musée de l'Armée- Luc Boegly

 軍事博物館の展示は大きくわけて5つのセクションからなっています。まず正面広場に展示されている60台ものブロンズ製の<フランス式大砲コレクション>、次にその広場を囲む建物内にある<中世部門><近代部門><第一次・第二次世界大戦部門>、そして2008年に新しく加わった地下の<シャルル・ド・ゴール館>です。

 13世紀から17世紀の<中世部門>では封建時代から王国軍の時代における大砲や剣、そして甲冑などの武具の展示が中心です。中にはフランソワ1世 (François Ier) やルイ13世 (Louis XIII) など、貴重なフランス国王の甲冑も含まれています。17世紀後半から19世紀を扱う<近代部門>では、軍事独裁政権であったナポレオンの時代のコレクションが見逃がせません。

▲<近代部門>の第一帝政期の軍服の展示
©Musée de l'Armée- Luc Boegly

軍服や軍隊の装備、当時の戦術を紹介するほか、ナポレオンが実際に身に着けたコートや帽子、新古典主義の画家アングル (Jean-Auguste-Dominique Ingres) による著名な肖像画など、ナポレオン栄光の時代を振り返ることができる内容です。そして19世紀末から20世紀の<第一次・第二次世界大戦部門>では、フランスのアルザス・ロレーヌ地方のプロイセン王国への割譲をプロローグに、フランスの植民地支配、ドイツ軍による占領、自由フランスのレジスタンス、ノルマンディー上陸作戦、パリ解放と、1945年の終戦までの流れが、1,000点余りの展示品とともに順に語られています。

▲<第一次・第二次世界大戦部門>のG7タクシー、ルノー

 最近できたばかりの<シャルル・ド・ゴール館>ではド・ゴールの功績を映像や音声などの最新のマルチメディア技術を駆使して紹介しています。オブジェを中心に紹介するほかのセクションとは一線を画した展示内容で、ド・ゴールの魅力を存分に味わえる軍事博物館の新たな見どころとなっています。

Update :2010.11.1
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PARIS MUSEUM PASS 利用可能施設

軍事博物館

  • 所在地
    Hôtel national des Invalides 
    129 rue de Grenelle 75007 PARIS
  • Tel
    +33(0)8 10 11 33 99または
    +33(0)1 44 42 38 77
  • E-mail
    accueilnord-ma@invalides.org
  • URL
    http://www.invalides.org
  • 開館時間
    <10月1日〜3月31日>
    10:00-17:00
    <4月1日〜9月30日>
    10:00-18:00
    *日曜日は開館時間30分延長
    *4月〜9月の毎週火曜日は21:00まで
    *7月〜8月、ドーム教会は19:00まで
  • 休館日
    毎月第1月曜日(7月〜9月を除く)、
    1月1日、5月1日、11月1日、
    12月25日
  • 入館料
    一般:9ユーロ
    割引料金:7ユーロ
    18歳以下:無料
    *軍事博物館、ドーム教会、立体地図博物館、レジスタンス解放博物館の共通チケット。
    *アンヴァリッドと近くのロダン美術館には、入館料の相互割引制度があります。どちらかのチケットを購入し、もう一方のミュゼで半券を提示すれば、割引料金にて入館できます。
  • アクセス
    地下鉄8番線Latour-Maubourg駅またはInvalides駅、13番線Varenne駅または Saint François-Xavier駅、RER C線Invalides駅

MMFで出会えるアンヴァリッド

  • インフォメーション・センターでは、アンヴァリッドの関連書籍やパンフレットを閲覧いただけます。
 

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