X.D.:まずルーベンスの仕事を紹介する「ルーベンスとヨーロッパ」の企画展があります。画家であり外交官であったルーベンスはハプスブルグ家によって、スペイン、イギリス、フランス、イタリアへと定期的に派遣されていました。
ルーベンスの旅が、彼の芸術や当時の芸術作品にどのように影響を与えたかを見ていきます。最終的にはルーベンスをヨーロッパ全体の中に位置づけます。
たとえば17世紀のオランダのフランドル画家といえば、私たちはルーベンスやヴァン・ダイクを思い浮かべます。しかしルーベンスとヴァン・ダイクがロンドンで出会ったことはあまり知られていないのです。
続いて行うのが、「エトルリア人と地中海」という企画展です。チェルヴェーテリというエトルリアの大都市をテーマにした展覧会です。エトルリアの初期からローマ帝国に編入されるまでの街の歴史のすべてと、地中海に開かれた港が、どのようにこの街を発展させたかを見ていきます。
X.D.:時間をとっていただくこと、時間に余裕をもって来ていただくことです。開館直後から、来館者が1時間から2時間を予定してきたのに、4時間、5時間、6時間と美術館にとどまった例を多く見てきました。そのような美術館には見えないかもしれませんが、内容が非常に豊かで濃く、観覧するのに多くの時間を要します。ここは素晴らしい体験のできる、とても特別な場所です。
X.D.:日本人の美術ファン、またすべての美術ファンにとって、ルーヴルは並外れた威厳あるイメージを持っていると映っているでしょう。そのルーヴルには2通りの楽しみ方があります。《モナリザ》を観るためにルーヴルに入って出ていく場合と、ルーヴルのコレクションを堪能する場合です。ルーヴルのコレクションを存分に楽しみたければ、まずパリのルーヴルへ、そしてここランスでもまた別の視点で作品を鑑賞することができます。
美術界で働く者、皆が同意しているのは、ランスではよりよい展示が行われ、よりよく理解できるという点です。またパリのルーヴルでは観ることのできないものを発見できます。東京または京都からパリへ旅することを考えれば、パリのルーヴルからランスに来ることはパリからヴェルサイユ宮殿に行く時間とほとんど変わりありません。ルーヴルを別の角度で観る機会です。ぜひ両方のルーヴルを観に来てください。
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Update : 2013.6.1 文・写真 : 増田葉子(Yoko Masuda)
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