Dossier special - 海外の特集

  • 1.ケ・ブランリ美術館で開催される「非西洋」をコンセプトとした写真展
  • 2.2013年のテーマは「私を見て!」独創的なポートレートの数々
  • 2.フォトケ2013で展示された新鋭の写真家のシリーズ作品を紹介!

ケ・ブランリ美術館で開催される一大写真展 フォトケ2013(PHQ4)Photoquai 2013

2013年のテーマは「私を見て!」独創的なポートレートの数々

▲ジグザグ状のパネル展示が特徴のフォトケの会場の様子
©musée du quai Branly, photo Gautier Deblonde
©musée du quai Branly, Photoquai 2013/Avec le soutien de Nexans

 エッフェル塔にも程近いパリのセーヌ河沿いの遊歩道に、大小異なる大きさの写真がレイアウトされたパネルが道なりに続きます。これらの展示パネルは川の流れによって砕かれた石が岸に散在する様子をイメージしたもの。不規則の中にもリズムの感じられる独特の展示が印象に残ります。

▲タイの写真家による作品とフォトケ会場近くのエッフェル塔
©musée du quai Branly, photo Gautier Deblonde
©musée du quai Branly, Photoquai 2013/Avec le soutien de Nexans

 第4回目のフォトケでは、《Regarde-moi ! 》(私を見て!)というテーマのもと、人間の姿そのものに焦点を当てた展示が行われました。今年はアフリカ、中東、中央アジア、極東アジア、旧ソビエト連邦、ラテンアメリカ、東南アジア、オセアニアの8つの地域29カ国から40の写真家たちが選ばれました。今回アート・ディレクターに起用されたのは、スペイン国籍で、現在ブラジルのサン・パウロ在住のフランク・カルロ(Frank Kalero)氏。写真雑誌の編集や写真フェスティバルのディレクターなど、国際的に活躍する写真のスペシャリストです。
 展示の大部分はポートレート作品で占められ、異なる国籍の人々のまなざしが会場に交錯しました。人種も実にさまざまで、国の数以上に人種の数が存在することを実感させられる内容です。それぞれの写真家がシリーズで撮った作品群は、南アフリカのアパルトヘイト、イス

▲南アフリカのかつての黒人地域「ホームランド」で佇む少年
©Thabiso SEKGALA
©musée du quai Branly, Photoquai 2013

ラム女性の身に着けるスカーフ、南米の複雑な人種構成をテーマに据えた作品など、メッセージ性の高いものばかり。その土地の民族と風土が、時にはあるがままに、時にはユーモアや皮肉を交えて表現されています。参加した写真家たちの多くが、自国から一度は遠く離れて暮らした経験を持っており、故郷に戻ってシリーズ作品に取り組んだ例も少なくありません。そのため文化、宗教、人種、歴史、労働など、自国の土地で暮らす人々を取り巻く環境を、より客観的な視点でとらえている点にも注目できます。各展示作品からは、まさに「私を見て!」と言わんばかりの強い主張と個性が発せられ、フォトケの会場全体を包み込んでいました。

次ページでは、フォトケ2013に出品された
新進の写真家と作品をご紹介します。>>

  • BACK
  • 1
  • 2
  • 1
  • Next

Update : 2013.12.1 文・写真 : 増田葉子(Yoko Masuda)ページトップへ

テート・モダン Tate Modern

ケ・ブランリ美術館

所在地
37, quai Branly - portail Debilly 75007 Paris
URL
http://www.quaibranly.fr/
開館時間
火曜日、水曜日、日曜日:
11:00-19:00
木曜日、金曜日、土曜日:
11:00-21:00
休館日
月曜日
入館料
常設展示:8.5ユーロ
企画展示:7ユーロ
常設展示、企画展示共通チケット:
10ユーロ
アクセス
地下鉄:Alma-Marceau駅、Iéna 駅、
Ecole Militaire駅、Bir Hakeim駅下車
電車:Pont de l'Alma駅、Champ de
Mars - Tour Eiffel駅下車
  • 海外の特集01
  • 国内の特集01
  • マダム・ド・モンタラン ベールのミュゼ訪問
  • 注目の一冊
  • 発見!身近なアート探訪
  • 銀座界隈アートスポット巡り
  • 今月の注目記事
  • お問い合わせ
  • 個人情報の取り扱いについて
  • サイトマップ

*情報はMMMwebサイト更新時のものです。予告なく変更となる場合がございます。詳細は観光局ホームページ等でご確認いただくか、MMMにご来館の上おたずねください。

特集記事 バックナンバー