さて、実際にフィレンツェに行ってウフィッツィ美術館を訪問する際には、電話かインターネットで事前に予約(イタリア語、または英語で)しておけば、長い列に並ばずにスムーズに入館することができます。特に夏のヴァカンスの時期は予約しておくほうが無難でしょう。朝の時間は特に人気があるので、日程が決まり次第、早めに予約しておきます。
美術館の入り口の反対側に3番の窓口があるので、予約情報をプリントアウトしたものをそこでチケットに換えてもらいます。チケットを持って1番の入り口から入ります。すぐにセキュリティのチェックがあり、その奥のクロークに大きな荷物は預けます。館内は撮影禁止ですが、窓の外の風景などは撮影してもいいので、ヴァザーリの回廊やドゥオモのクーポラを写真に収めたい方はカメラも持っていくといいでしょう。
そして、オーディオ・ガイドの貸し出し無料サービスがあります。これはパスポートなど身分証明書と引き換えというかたちです。鑑賞後に同じ場所に戻ってきますので、オーディオ・ガイドを忘れずに返却しましょう。この音声ガイドには日本語があります。比較的短い解説で、テンポよく見どころを紹介してくれます。個人旅行で行かれる方にはオススメできます。
また、日本語を含むガイドブックが入り口のところで販売されています。ガイドブックはある程度作品数がしぼられているので、それを片手に見て回るのも、名作を効率的に堪能するのには良策です。
ウフィッツィ美術館は建物全体が細長いU字型になっています。最初に2F(日本で言う3階部分)からスタートしますので、エレベータもしくは階段で上階に上がります。メディチ家代々の胸像が立ち並ぶ場所を過ぎると、そこが第一回廊です。回廊部分では、1つの立像、2つの胸像がパターンとして繰り返されます。天井にはグロテスク装飾と呼ばれる独特の絵が描かれています。
ウフィッツィ美術館には、絵画以外にもありとあらゆる美術品が所蔵されていましたが、時代を経るにしたがって絵画芸術に特に焦点をしぼる整理がされてきました。展示室の中は絵画で埋め尽くされています。基本的に年代順に構成されており、初期ルネサンスから盛期ルネサンス、ヴェネツィア派、マニエリスム、バロックそして北方ルネサンス、スペインの名作まで幅広い範囲をカバーしています。
階下の1F(日本で言う2階部分)は、画派や画家ごとにテーマを区切った展示と、臨時の企画展が開催されています。
ちなみに、美術館の中には見晴らしのいい休憩所が設置されており、軽食や飲み物でリフレッシュすることができます。ちょうど2F(日本で言う3階部分)の展示が終わる「折り返し地点」に位置しているので、ここで一息つくのもオススメです。
次ページでは、ウフィッツィ美術館所蔵の
名画10選についてご紹介します。>>
Update : 2014.1.7 文・写真 : 山本浩幸(Hiroyuki Yamamoto)
ブリュッセル在住、出版人/インスピレーション出版
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