Dossier special - 海外の特集

  • 1.ルドゥーテの故郷 サン=テュベールの町
  • 2.ルドゥーテ記念館創設の歴史とそのコレクション
  • 3.館長が語るサン=テュベールのルドゥーテ芸術の才能に長けたルドゥーテの家系

サン=テュベール ルドゥーテ記念館

館長が語るサン=テュベールのルドゥーテ 芸術の才能に長けたルドゥーテの家系

▲ルドゥーテ記念館のレイモン・ポンスレ(Raymond Poncelet)館長

 ベルギーのディナン(Dinant)出身でルドゥーテの父・シャルル=ジョゼフ・ルドゥーテ(Charles-Joseph Redouté/1715-1776)は、パリのアカデミー・ド・サン・リュック(L'Académie de Saint-Luc)で絵を学んでいたところ、1743年にサン=テュベールの大修道院から修道院や教会の装飾を依頼され、サン=テュベールへとやって来ました。シャルル=ジョゼフはサン=テュベールの質素な庭付きの一軒家で妻と暮らし、6人の子供をもうけます。それら6人のうちの1人がピエール=ジョゼフ・ルドゥーテでした。ピエール=ジョゼフを含む3人の息子たちは父親と同様、絵の道に進み、サン=テュベールの修道院の装飾を手伝いながら絵の修業をしていました。当時修道院で庭園の手入れを行っていた医師兼薬剤師の修道士、イックマン(Hickmann)が若き日のピエール=ジョゼフ・ルドゥーテに植物の世界との出会いをもたらしたといわれています。

▲ルドゥーテの生家の写真(右上)やサン=テュベールに残るルドゥーテの描いた絵(右下)

 ピエール=ジョゼフはフランドルやオランダを旅したのち、兄のいるフランスへと渡りマリー=アントワネット(Marie-Antoinette/1755-1793)やナポレオン(Napoléon Bonaparte/1769-1821)の妻ジョゼフィーヌ(Joséphine de Beauharnais/1763-1814)のお抱えの植物画家となったことで有名です。またのちのベルギー王妃である、ルイーズ=マリー・ドルレアン(Louise-Marie d'Orléans/1812-1850)をはじめ、特権階級の子女にデッサンの指導も行っていました。兄のアントワーヌ=フェルディナンド(Antoine-Ferdinand Redouté/1756-1809)は舞台装飾のほか、フランスの現エリゼ宮やコンピエーニュ城などの内装を手掛ける装飾画家でした。弟のアンリ=ジョゼフはナポレオンのエジプト遠征の従軍画家として版画作品を残しています。3兄弟それぞれがフランスの特権階級の世界で活躍しており、ルドゥーテ家が才能ある芸術家の家系であったことが分かります。

 サン=テュベールの町では、ルドゥーテの功績を称える目的で、「バラの日」と名づけられた催しが不定期に行われています。開催時期の7月には聖堂、旧修道院、また市庁舎など、町中の建物がさまざまな種類のバラで鮮やかに彩られます。前回の2010年の開催では、天気にも恵まれ町中が素晴らしく陽気な雰囲気に包まれました。

▲記念館2階の版画や図譜の展示
▲ルドゥーテの『バラ図譜』の複製の展示

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Update : 2015.4.1 文・写真:増田葉子(Yoko Masuda)ページトップへ

ルドゥーテ記念館

所在地
Rue Redouté 11, 6870 Saint-Hubert - Belgique
Tel
+32 (0) 61 61 14 67
E-Mail
info@musee-pierre-joseph-redoute.be
開館時間
7月1日〜8月31日/13:00-17:00
9月1日〜6月30日/10人以上のグループ見学のみ(要予約)
入館料
一般:2.5ユーロ
14歳〜21歳:1.25ユーロ
14歳以下:無料
グループ見学:ガイド料25ユーロ+1人につき2.5ユーロ
アクセス
Bruxelles駅からPoix-Saint-Hubert駅まで電車で約3時間、Poix-Saint-Hubert駅より5番のバスに乗り約15分、la place de la Libération下車
※この情報は2015年4月更新時のものです。

MMMで出会えるルドゥーテ

MMMライブラリでは、ルドゥーテ関連書籍などを閲覧いただけます。

日比谷で出会えるルドゥーテ

マリー・アントワネット、ジョゼフィーヌに仕えた宮廷画家 ルドゥーテ「美花選(びかせん)」展

開催期間
平成27年4月18日(土)
〜6月19日(金)
休館日
4月20日(月)、5月18日(月)、6月15日(月)
場所
千代田区立日比谷図書文化館
入館料
一般300円、大学・高校生200円、千代田区民・中学生以下、障害者手帳をお持ちの方および付き添いの方1名は無料
※住所が確認できるもの、学生証、障害者手帳をお持ちください。
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