本をイメージした建築が目印、自然と共生するモダンな図書館
フランス国立図書館(BnF)は中世のフランス王室文庫を起源にもつ、世界屈指の歴史ある図書館です。書籍、雑誌、原稿、版画、写真、地図、楽譜、貨幣、メダル、また録音資料やビデオ、マルチメディアと、多様な分野にわたるコレクションは、現在1,400万点にも及んでいます。
BnFはパリ2区のリシュリュー館や、9区のオペラ座図書館など、パリ市内を中心としたフランス国内の複数の施設からなります。パリの13区にあるフランソワ・ミッテラン館は、1996年の開館以来BnFの核となる存在。効率化された書庫のシステムや、蔵書のデジタル化など、時代に呼応したモダンな図書館として重要な役割を果たしています。
フランソワ・ミッテラン館は、セーヌ川沿いにそびえ立つ開いた本をイメージしたL字型の建築が大きな特徴です。無駄の一切ないガラス張りの4棟のビルは、BnFの広大な長方形の敷地の角にそれぞれ建ち、1ヘクタール以上ある庭園を囲んでいます。庭園と同じ階に位置するレ=ドゥ=ジャルダン(Rez-de-jardin)と庭園を見
下ろすことのできるオ=ドゥ=ジャルダン(Haut-de-jardin)のふたつのフロアに閲覧室が設けられ、閲覧の合間に自然の風景に親しむことができる設計です。BnFのコレクションをベースにした展覧会が行われているのは、オ=ドゥ=ジャルダンのフロア。常設展のほかに、ふたつの企画展が定期的に行われており、蔵書の閲覧者以外でも気軽にBnFに足を運ぶことができます。
フランソワ・ミッテラン館の庭園をテーマにしたもうひとつの常設展
フランソワ・ミッテラン館の庭園には、松を中心にあらゆる木々が植えられ、開館から20年経った現在、豊かに緑が生い茂っています。自然保護の観点から来館者は庭園内に足を踏み入れることはできませんが、その甲斐もありさまざまな野鳥が生息するほどの自然が保たれています。
2011年より、BnFフランソワ・ミッテラン館の新しい見どころとして加わったのが、庭園をテーマにした常設展示「庭園のBnF」(La BnF en son jardin)です。パリの国立自然史博物館(Muséum national d'histoire naturelle)の協力のもと、BnFの庭園や近郊の自然が詳しく調査され、木々や花、野鳥や昆虫といった都会の緑の中で発見できる生命の数々が、BnF所蔵の自然科学書の図版とともに紹介されています。美しい図版が複写された木製の展示パネルは譜面台のような形態をしているのが特徴。鑑賞中もパネルのすぐ向こうにBnFの庭園を眺めることができ、都会と自然との一体感を味わえる魅力的な展示になっています。
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