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グランド・オダリスク
© Photo RMN / Hervé
Lewandowski / digital file by DNPACC |
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「アングルはロマン主義の画家と言う人もいますが、やはり新古典主義の画家と見るほうが自然ですね」。優美な女性像を多く描き、19世紀フランス画壇の重鎮として君臨したアングルがテーマの今回のサロンは、こうした先生の言葉から始まりました。時代はフランス革命を経て、ナポレオンが皇帝についた帝政時代。この19世紀初めにアングルは画家としての成長期を迎えました。ローマ賞を獲得し、イタリアに留学した画家は、そこで多くの古代美術に触れ、古代ギリシア・ローマ、そしてルネサンス芸術こそ、美の源泉であると確信します。また多くの彫刻作品を目にしたアングルは、ものの本質は形にこそあると思い至り、デッサンの重要性を強く実感。色は光によって変化するが、形は裏切ることはないという信念のもと、ストイックに絵画の道にまい進したのです。こうした時代背景やアングルの画業の解説とともに、美術史の枠にとどまらない興味深いお話も飛び出しました。 |