ミュゼの恋人たち 2005.2.1-2005.3.14

Paul et Virginie

ポールとヴィルジニー
ジャン=バプティスト・カルポー(1827−1875)
1859−1862年
パリ、オルセー美術館所蔵
石膏製複製


『ポールとヴィルジニー』は、18世紀末に大変な人気を呼んだベルナルダン・ド・サン=ピエールの牧歌的純愛小説。このムラージュ(複製彫刻)は、19世紀のフランスを代表する彫刻家カルポーが悲恋の主人公二人を、描いた習作です。
モーリシャス島の自然の中で育った幼なじみのポールとヴィルジニーは、年頃になったヴィルジニーがフランスに送り返されたことで、引き裂かれてしまいます。ポール恋しさに、ヴィルジニーは苦難を乗り越え帰郷しますが、故郷の港を目前に帆船が難破、避難のため衣服を脱ぎ捨てることを恥じた彼女は海の藻屑に。なすすべもなく目の前でヴィルジニーを失ったポールは、苦悩に押しつぶされ死んでしまいます。実際の難破事故に着想を得た、南洋
の美しい自然を舞台にした悲恋物語です。





Lancelot et Guenievre

馬上試合のレリーフ
フランス14世紀
象牙製小箱の蓋より
ブローニュ=シュル=メール城美術館
樹脂製複製


このレリーフに描かれているのは、中世の英雄伝説『アーサー王物語』に登場する3つの宮廷風恋愛模様。画面中央では、貴婦人たちがバルコニーから見守る中、騎士たちが馬上槍試合を繰り広げています。右側には「愛の城」を攻略しようと石弓を使ってバラを放つ騎士、さらに左側には、物語の中でも有名な、円卓の騎士ランスロットが王妃グィネビアを連れ去ろうとする一節が描かれています。
中世の時代、女性に愛を捧げるプロセスもまた、騎士道をより高みにいざなうものとされ、騎士たちは心に決めた女性の名誉のために武勲をたて、言動を洗練させ、高貴な人物になることに努めました。

■このほかにもMMFブティックで、さまざまな愛の物語に出会えます。

・愛の画家マルク・シャガールとベラ
・マリー・ローランサンと詩人アポリネール
・ルネッサンスの<愛の手鏡>
・古代フランスの夫婦の幸せな寝姿
・古代ギリシャのおとぎ話<アムールとプシュケ>の物語 など
All Rights Reserved Copyright (C) Maison des Musees de France
| CLOSE |