ナポレオンとセーヴル窯 2007.9.4 -10.10
 
▲ナポレオンの『エジプト誌』:
《東側王の第5の墓所のハープの間の絵》
 18世紀後半から19世紀のフランス史を語るうえで欠かせない人物の一人、ナポレオン。若い頃から軍事的・政治的才能を発揮し、1804年には皇帝の座にまで上り詰めました。そのナポレオンが芸術の世界においてもまた、大きな影響を与えたことは、皆さんもご存知のことでしょう。
 古代エジプト・ギリシア・ローマなどへの憧れを強く抱いていたナポレオンは、皇帝の座に就くと自らの権威を示すため、芸術家たちに古代の装飾モチーフを取り入れた絵画やインテリア、そして食器などを製作させました。それはアンピール様式(帝政様式)といわれる新たな芸術の誕生となったのです。
 そしてセーヴル窯もまた、ナポレオンとは切っても切れない関係にあります。王侯貴族に愛され発展していったセーヴル窯は、フランス革命の際に破壊され閉窯しましたが、その復興を指示したのが、ナポレオンでした。その後はセーヴルの大きな特徴のひとつとである金彩などの技術を駆使し、皇帝の栄光をたたえるアンピール様式の作品を次々と生み出していくことになりました。
 フランスが誇るセーヴル窯を救った皇帝ナポレオン。今回、3階ギャラリーでは、ナポレオンとセーヴルに関連した展示を、カルコグラフィー(銅版画)を通してお楽しみいただきます。
 
 
     
▲《アルコル橋のナポレオン》
 
関連講演会のお知らせ 詳細はこちら
サロン・デ・ミュゼ・ド・フランス 「セーヴル焼とフランスにおける陶磁器の歴史」
陶磁史研究家、松村真希子氏による講演会を開催します。
日時:9月12日(水) 14:00-16:00(開場は13:30より開始)
会場:DNP銀座ビル2階

※おかげさまで定員に達しました

関連展覧会のお知らせ 詳細はこちら
フランスのセーヴル陶磁器美術館で、薩摩焼の特別展
「薩摩焼 パリ伝統美展」が開催されます。
会期:2007年11月〜2008年2月