12月17日から東京・渋谷のユーロスペースを皮切りに全国で上映される映画『ブリューゲルの動く絵』は、16世紀フランドルの画家ピーテル・ブリューゲル(?-1569)をテーマに、「絵画作品の新しい鑑賞の仕方」を映画というかたちで経験できる、極めて独創的な作品です。今年2月にはパリのルーヴル美術館でプレミアム上映が行われ話題となり、10月の東京国際映画祭の正式招待作品でもありました。
ブリューゲルといえば、日本でもとても人気のある画家ですが、その人生は、多くの謎に満ちています。そこでMMFでは、映画の封切りを機に、RMN(フランス国立美術館連合)発行の絵本を紐解きつつ、AからZまでのアルファベットで、その人生と作品をたどる特別展示を開催します。
また、映画の主題ともなった巨大な作品《十字架を担うキリスト》をはじめ、絵本に登場するブリューゲルの代表作3点を原寸大の出力で展示もいたします。ウィーン美術史美術館に所蔵されているこれらの作品は、作品保護の観点から、オーストリア国外へと出されることはほとんどありません。遠くウィーンに思いをはせながら、銀座のMMFでブリューゲルの世界を原寸大で楽しんでみませんか。