パリの有名レストラン「マキシム(Maxim's)」のメニューのイラストを手がけ、ココ・シャネルとも親交が深かった、ジョルジュ・グルサ(Georges Goursat, 1863-1934)。
「セム(SEM)」の愛称で呼ばれるグルサは、パリがもっとも華やいだ19世紀末から20世紀初頭のベル・エポック(良き時代)に活躍したフランスの風刺画家です。彼は「上流社会の記録係」として、多くの著名人たちと交流しました。社交界をユーモアとともに、ときに辛辣な表現で描きましたが、セムの人気は衰えることがありませんでした。やがて同時代の人々からは、彼に描かれることがステータスとなり広く愛されました。
1904年に、レジオン・ドヌール勲章を受賞している、SEM。展示作品は、すべてお買い求め頂けます。また、インフォメーション・センターでは、国内最大数のSEM作品を所蔵している郡山市「迎賓館グランプラス」内にあるサロン文化美術館・川島利夫館長による「SEM全集」もご覧いただけます。
会期中ブティックでは、ベルエポックの時期にココ・シャネルがデザインした「コスチュームジュエリー」も展示・販売します。これは、高価な宝石や貴金属を使わずに、創造的なデザインを基本に装飾性を楽しむ、時代の先駆けとなったアクセサリーです。
一年で最も華やぐこの季節、古き良きベルエポックの世界を、ぜひMMFでご体験ください。
銀座のフランス料理店「マキシム・ド・パリ」で、今なお使われているセムのメニューカード。
店内はパリ本店さながら、ベルエポック時代のアールヌーヴォーの世界がひろがっています。
協力:マキシム・ド・パリ株式会社