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MMFのwebサイトをご覧のみなさまのために、オルセー美術館が作品をセレクト、特別に鑑賞のポイントをまとめていただきました。
日本で開催される「オルセー美術館展―19世紀 芸術家たちの楽園」に出品される作品と、オルセーからめったに貸し出されることのない作品とをひとつのテーマで結ぶ、興味深い解説が展開されます。
全6回の連載で紹介されるのは、オルセーが誇る12点の名作。ここでしか楽しめないオルセーの絵画鑑賞を存分にご堪能ください。 |
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ピエール・ボナール「水の戯れ、旅」 1906-1910年
油彩、カンヴァス 230×300cm
©Photo RMN - ©Hervé Lewandowski |
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「ヴァイルマティ」 1897年
油彩、カンヴァス 73×94cm
©Photo RMN - ©Hervé Lewandowski |
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「生まれた死体置き場の外へ飛び出すハヤブサのように、気高い不幸を背負うのに疲れて」
ジョゼ・マリア・ド・ヘレディアの詩『征服者』の最初の語句は、作家であれ画家であれ、窮屈な19世紀末物質主義の社会に生きるほとんどの芸術家が抱く探検への渇望を表現している。『水の戯れ、旅』では、ボナールの描く幻想的な人物たちは、未知なる世界に向けて出帆する。波が彼らを連れて行くのは新しい国なのか神話の島シテールなのかは分からない。『ヴァイルマティ』では、遠い国の精神性を出迎えに一人で旅立ったポール・ゴーガンが、鑑賞者の目の前に、現実にも架空にもみえる人物や背景を提示し、彼が発見した遠くの国へと導く。前景の若い女性ヴァイルマティは、半神の化身で、マルキーズ諸島の神話的歴史で重要な役割を果たしている。彼女は王座のようなものに座り、後光のような背もたれはボロブドゥール寺院の浮き彫りからとられたモティーフで飾られている。右上の角の人物にもボロブドゥール寺院のほかの要素が見て取れる。これらの人物に対照をなすように、左下の奇妙な白い鳥が爪でトカゲを捉えている。画家によるとこれは「無意味な言葉の無益さ」を表している。 |
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