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クロード・モネ「サン=ラザール駅」
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RMN-H.Lewandowski/digital file by DNPAC |
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1840年、パリに生まれたモネは、印象派の代表的な画家として、美術史にその名を刻まれています。本江先生は、まずモネの芸術を理解する上でもっとも重要な「印象主義」のお話から始めてくださいました。モネをはじめルノワールやピサロといった画家たちは、それまで考えられていた色彩学を否定し、太陽光線のもとで見える、本当の色をカンバスに表現しようと努めました。つまり彼らは、影は黒の絵の具で表現するといった、今までの思い込みに真っ向から反論を呈し、自分たちの眼で見たモチーフの“印象"をカンバスに写し取っていったのです。絵を見るという行為が教養に裏づけされていたこの時代、彼らの革新的な絵は、国家的な公募展「ル・サロン」ではなかなか評価されなかったものの、新しい社会を担う市民階級によって支持されることになります。絵画の世界だけでなく、当時の時代の流れも交えてのお話は、ダイナミックでもあり、いかに印象派が“新しい芸術"であったのかを、再認識させられるものとなりました。 |