作品「接吻」の類作に
ついての書籍『Le Baiser 接吻』 |
「接吻」は当初、ロダンの未完の大作「地獄の門」のために構想されました。ロダンといえば知らぬ人のいない名作「考える人」もまた、「地獄の門」に取り組む中で生まれた作品です。「地獄の門」は、現在のオルセー美術館の地に計画予定であった、装飾美術館のために、国から注文された作品でしたが、美術館建設が中止にいたっても、ロダンは自らの作品として40年近くにわたり手を入れ続けました。
独立した作品として発表された「接吻」は大変な人気を博し、その後ブロンズや大理石による数多くの類作がロダン自身によって作られました。
「恋愛こそ生命の花」という言葉を残したロダンにとって、作品「接吻」は、愛についての偽りのない真実を映し出した作品なのかもしれません。
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ロダン「地獄の門」1880-1917
オルセー美術館
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