1798年、若き将軍ナポレオンはエジプト遠征に150名を越える学術調査団を同行し、幅広い分野での調査を行わせました。その貴重な研究の記録はナポレオン失脚後もフランスの国家事業となり、およそ900点の版画図版を含む全23巻の書物『エジプト誌』として14年の歳月をかけ完成されました。『エジプト誌』は、その後のエジプト考古学誕生の発端となり、19世紀初頭の大エジプトブームを引き起こしたことでも知られています。
MMFでは、日本での本格初公開である「ルーヴル美術館所蔵 古代エジプト展」を機に、『エジプト誌』というもうひとつの偉大なコレクションの魅力に迫ります。『エジプト誌』出版に使用された原版をそのまま用いて、ルーヴル美術館付属の工房で刷られた銅版画作品の中から秀作を選びご紹介。本格的な発掘以前の古代遺跡を知る貴重な記録として、傑作の誉れ高い博物画集として、高い評価を誇る作品をご覧いただきます。 |