MMFの朗読会「五感で楽しむプロヴァンス」
MMFスタッフのヌーヴェル氏がフランス語、小俣氏が日本語対訳を朗読▲
日時 10月20日(土) 14:00-15:30   朗読者 MMFスタッフ バンジャマン・ヌーヴェル(美術史専門)
フランスの「Lire en fête(読書祭)」にちなみ、MMFで初めて開催した朗読会。
スライド上映を見ながらの会が終わると、「本を読んでもらうなんて、何十年ぶりだったかしら!」「フランス語って、きれいな響きですね」そんな嬉しい感想が聞こえてきました。
 
 
▲プロヴァンスのアトリエでの様子をお話する「コンフィチュール エ プロヴァンス」の代表、福田さん。

 サロン文化の発祥地、フランスにおける朗読会の歴史は古く、今でも人々にとって身近なイベント。昨年からは「Lire en fête(読書祭)」の一環として「書物の夜(La nuit de l'ecrit)」と銘打った朗読イベントも開催され、人気を呼んでいるほどです。
 文芸国フランスらしい、そんなイベントに触れていただくために、また、フランスの書物をより身近に感じていただくために開催したMMF初の朗読会。朗読する一冊に選ばれたのは、プロヴァンス生まれの画家セザンヌの人生と芸術を紐解く絵本「C comme Cézanne」です。さらに、朗読会は初めて、という方にも気軽に参加いただけるよう、「五感で感じるプロヴァンス」をテーマに、朗読以外の要素も盛り込んだ企画でしたが、会場には満員のお客様が集まって下さいました。

 まずご登場いただいたのは、プロヴァンス直送のコンフィチュール(ジャム)を扱う「コンフィチュール エ プロヴァンス」の代表、福田さん。南仏の豊かな自然に包まれたアトリエで、四季折々の恵みに触れながらコンフィチュール作りに励むプロヴァンスでの生活を、スライドに映し出される写真とともにお話しいただきました。
 そして、すっかりプロヴァンス気分に浸った頃、いよいよ朗読会が始まりました。朗読者はMMFスタッフで美術史専門のヌーヴェル氏。心地よい音楽が流れるなか、セザンヌの人生と芸術が、AからZまでのアルファベットで始まるキーワードとともに朗々と語られていきます。スクリーンには、セザンヌの作品が楽しめ、また聞こえてくるフランス語を文字で確認できるよう、絵本が拡大上映されていました。フランス語の朗読、さらには日本語対訳を聞きながらゆっくりと絵本を見ていると、黙読しているときとはまったくことなるスタンスで本と対峙している自分に気付かされます。皆さんも一様に絵本の世界に入り込んでいられたようです。
 朗読会の後はホワイエで、「コンフィチュール エ プロヴァンス」からご提供いただいたコンフィチュールやジンジャー・シロップのドリンクをお楽しみいただきました。グラスを片手に談笑なさっている方々からは、「本を読んでもらうなんて、何十年ぶりだったかしら!」「フランス語って、きれいな響きですね」「日本語対訳があったのでよかった」「これからMMFにいって、他の本も見てみます」そんな、嬉しい言葉が聞こえてきました。
 
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