「伝統装飾ヒンメリを作りながらフィンランドのクリスマスに触れる」

クリスマスのイルミネーションやライトアップが行われ、一層華やかさを増している銀座の街。MMMでも、クリスマス直前の12月13日、この時期にふさわしいレクチャー&ワークショップを開催しました。フィンランドセンターの文化・コミュニケーション担当マネージャー、ウッラ・キンヌネン氏を講師に招き、北欧のクリスマスをはじめ、文化・伝統についてお話いただくとともに、フィンランドに古くから伝わるクリスマスツリー「ヒンメリ」の作り方を教えていただきました。

 会場に入ると、机の上にはすでに赤と黒のストローと針、紐などが用意されており、どんなものが出来上がるのか、期待感が高まります。今回の講師には、北欧のアートやデザインに詳しいウッラ・キンヌネン氏をお迎えし、まずはフィンランドのクリスマスの過ごし方などについてお話いただきました。
 「偶然にも、12月13日という日はフィンランドでは、クリスマスの始まりを告げる、聖ルシアの日なんです」と、キンヌネン氏。聖ルシアとは、キリスト教の聖人の一人で、この日に聖名祝日を祝う行事が行われると言います。「スウェーデン語を話すフィンランド人の間で今も受け継がれている」というこの祝祭では、少女が聖ルシアに扮し、白いローブをまとって、ロウソクの冠を頭に、ロウソクを手にした姿で街を行進。「ロウソクは光をもたらすほか、かつては悪魔を追い払うと信じられていました。クリスマスの装飾でもよく使用されます」キンヌネン氏の話を通し、日照時間の短いフィンランドにとって、ロウソクが大きな役割を持つことがわかりました。
 さらに、話題はフィンランドでもっとも重要な日である24日のクリスマスイブへと進んでいきます。
 「昼の12時にはショップや公共機関が閉まり、完全なお休みに入ります。フィンランドの旧首都である、トゥルクという街の市庁舎の庭で『クリスマス宣言』が読み上げられるのですが、これは700年前より行われている伝統的な儀式。これが正式なクリスマスの始まりなんです」
 スライドを織り交ぜながら、フィンランドのクリスマスに関する文化や伝統について、わかりやすく説明してくださいました。

 レクチャーの後は、いよいよ、そのフィンランドのクリスマス時期の代表的な装飾であるヒンメリを製作するワークショップがスタート。ヒンメリとは、12世紀からフィンランドに伝わり、豊作祈願をして作られる麦わらのモビールのことで、現在では、クリスマスの装飾などに用いられ、幸せな家族のシンボルとされています。伝統的なものは麦わらで作る八角形のものですが、初心者には難しいことから、今回は細いプラスチックのストローを使って挑戦しました。ここからはキンヌネン氏が先生となって参加者の方々に直接指導。和気あいあいの雰囲気のなか、各々オリジナルのヒンメリを作り上げることができました。
 最後に、キンヌネン氏が「ヒューバーヨウラ(フィンランド語でクリスマスおめでとう)」とあいさつ。
サンタクロース誕生の国フィンランドの、本場のクリスマスを垣間見ることのできたひとときとなりました。

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