MMFの古代ギリシア展
 
6月17日から東京藝術大学大学美術館で始まった「ルーヴル美術館展 古代ギリシア芸術・神々の遺産」。古代ギリシア時代の名作134点がご覧いただけます。ルーヴルの古代ギリシア芸術がこれほどの規模で紹介されるのは、世界でも初めて。これを機に、MMFギャラリーでは、古代ギリシア・ローマ時代の名作のムラージュ(複製彫刻)を揃えました。
世界有数の規模を誇るルーヴル美術館の古代ギリシア芸術コレクション。その多くは、17世紀から19世紀にかけて収集されたものです。17世紀、芸術の規範として古代ギリシア・ローマ美術をフランスにもたらそうと望んだのがルイ14世、18世紀末にはイタリア遠征をしたナポレオンが“戦利品”として多くの美術品を持ち帰りました。しかし、彼の没落後、戦利品の多くは返却を余儀なくされたため、19世紀に入り、政府は数百点単位の美術品を購入。同時に考古学調査隊を編成し、小アジアなどでの発掘を進めていったのです。
今回、MMFでムラージュにて紹介する作品のうち、『ボルゲーゼの剣闘士』はルイ14世のコレクション、『ミロのヴィーナス』は19世紀の購入品、『サモトラケのニケ』はフランスが派遣した調査隊によって発見されたものでした。さまざまな歴史を経て、今、ルーヴルに輝くコレクション──。ヨーロッパ的美の規範となったその造形を、ご堪能ください。
▲『ボルゲーゼの剣闘士』
高さ42×幅30×奥行き23cm、オリジナル:紀元前100年頃、大理石
▲『サモトラケのニケ(勝利の女神像)』
高さ30cm、50cm
オリジナル:紀元前2世紀初頭、大理石
▲『ミロのヴィーナス』
高さ30、50cm
オリジナル:紀元前2世紀、パロス島産大理石
6月19日から8月30日まで、MMF館内ではルーヴル美術館を特集します。 詳細はこちら
8月1日から31日まで、MMF3Fギャラリーは(IT技術で)「見て・知って・楽める」空間に。 詳細はこちら
 
本サイトでも、ルーヴルを特集します。
6月14日に行われた講演会「ルーヴル美術館の古代ギリシア・コレクション」のレポートを収録。ルーヴル美術館主任学芸員ジャン=リュック・マルティネズ氏の興味深いお話です。
 
 
サロン・デ・ミュゼ・ド・フランス「ルーヴル美術館の魅力 フランス絵画の黄金時代」第3回「ドラクロワ」
日時:2006.7.22 11:00-13:00/ 14:30-16:30(DNP銀座ビル2F映像ホール)
講師:成城大学教授 千足伸行氏