パリ市庁舎展覧会カタログ『パリ オートクチュール』Paris Haute Couture
パリ市庁舎展覧会カタログ『パリ オートクチュール』
『パリ オートクチュール』
Paris Haute Couture
24.2×28 /287ページ
フランス語/刊行2012年
本体記載価格/39.9ユーロ
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パリが誇るオートクチュールの歴史をたどる

今月ご紹介するのは、2013年3月2日から6月6日まで、パリ市庁舎で開催中の展覧会「パリ オートクチュール」の公式カタログです。本展はパリが誇るオートクチュールの歴史を紐解く、パリ市内では初の試みとなりました。

フランス語で「オート」とは「高級」、「クチュール」は「仕立て・裁縫」を意味し、オートクチュールといえば、オーダーメードの高級服を指します。とはいえ、オーダーメードの服がすべて「オートクチュール」と呼ばれるかというと、そうではありません。オートクチュールと冠せるのは、「パリ・クチュール組合」(通称サンディカ)に加盟し、厳しい組合規定や条件を備えたメゾン(高級衣装店)の手による服に限られます。現在、「パリ・クチュール組合」のメンバーとして認められているのは、シャネル、クリスチャン・ディオール、クリスチャン・ラクロワなど、わずか十数軒のメゾンのみ。こうした世界に名だたるメゾンが、組合の基盤がつくられた19世紀後半から現在まで、連綿とパリ・モード界の誇りを受け継いでいるのです。

本書では、ガリエラ美術館のコレクションから選りすぐられた100点余りのドレスを通して、1900年から1970年までのモード史を振り返ることができます。腰の部分に膨らみを持たせたフェミニンなバッスルスタイルをはじめ、繊細な刺繍が全面に施されたドレス、さらには布の表情を生かした直線的で現代的なドレスなど、女性ならば誰しもあこがれるものばかり。そうしたドレスの魅力を余すところなくとらえた美しい写真に加え、有名メゾンによる当時の採寸の様子やお針子たちが1点1点ていねいに縫い上げる光景を写した珍しい資料も収載されています。世界に1点だけのドレスに込められた多彩な物語をたどることのできる一冊です。

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