ウィーンが誇る美術館 『ウィーン美術史美術館』Kunsthistorisches Museum
『ウィーン美術史美術館』
『ウィーン美術史美術館』 Kunsthistorisches Museum
著者/カシリア・ビショーフ
24.4×30.5cm/259ページ
英語/2010年
出版社/Christian Brandstatter Verlag
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※この情報は2014年12月更新時のものです。
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建築の視点から世界有数の美術館を楽しむ

オーストリアの首都ウィーンの中央を走る環状道路「リンクシュトラーセ」。この道はパリをはじめヨーロッパの主要な街が次々と近代都市へと姿を変えていた19世紀に築かれました。環状という形状は中世からの城壁の名残を伝えるものです。リンクシュトラーセの周辺には、新しいウィーンを象徴する建物が次々と建てられていきました。この時代はリンクシュトラーセ時代とも呼ばれ、環状道路からウィーンという都市における近代への夜明けが始まったといっても過言ではありません。

リンクシュトラーセ時代を代表する建物が、ネオ・ルネサンス様式の壮麗な姿を見せる美術史美術館です。1872年、皇帝フランツ・ヨーゼフ1世の命により、歴代皇帝のコレクションを展示するために建設が始まり、1891年に完成を迎えました。そのコレクションの範囲は、古代エジプト、古代ギリシャ時代から18世紀末までと実に7000年に及び、歴代皇帝が美術収集に傾けた情熱を物語っています。

今月ご紹介する本書では、そのオーストリアが世界に誇る美術史美術館を、建築と装飾の視点から切り取った1冊です。

ウィーンの都市計画図や美術館の図面からは、美術史美術館誕生前夜までの歴史の流れを追うことができます。そして本書の中でひときわ印象的なのが、美術館の装飾やインテリアの細部をクローズアップして見せている点です。床のモザイクや何種類もの大理石の模様までを豊富なカラー写真で楽しむことができます。作品ではなく、それを支える建築やインテリアが、堂々たる主役を務めるこの1冊を繰れば、美術史美術館の奥深さに驚かされることでしょう。

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Update : 2014.12.1
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