『印象−日の出−作品の履歴』Monet's Impression Sunrise−The biography of a painting
『印象−日の出−作品の履歴』
『印象−日の出−作品の履歴』
Monet's Impression Sunrise−The biography of a painting
著者/マリアンヌ・マチュー
22.7×29.2cm/222ページ
英語/2014年
出版社/ Hazan
本体記載価格/35ユーロ
※この情報は2015年1月更新時のものです。
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描かれたのは本当に「日の出」?
名画の謎に迫る一冊

クロード・モネ《印象−日の出》。この作品について語るとき、真っ先に引用されるのは、1874年の第一回印象派展出品後の顛末でしょう。いわく、時の美術批評家ルイ・ルロワがこの作品を揶揄した言葉がきっかけとなり、モネら若手グループが「印象派」と呼ばれるようになった──。一見出来過ぎのようにも思えるこの逸話は真実ではあるのですが、エピソードが有名になり過ぎたせいか、作品としての《印象−日の出》は、実は、今日まで深い研究の対象にならず、“謎”多き一枚とされているのです。

今月、MMMライブラリからご紹介するのは、《印象−日の出》の“謎”に迫る一冊。2014年の秋からマルモッタン美術館で開催中(2015年1月18日まで)の展覧会「印象−日の出−作品の履歴」の公式カタログです。

カタログでは、《印象−日の出》をめぐるいくつかの謎を丁寧に検証していきます。たとえば、描かれているのは「日の出なのか、日の入りなのか」という謎に対しては、当時のモネの行動や類似作を詳しく分析するとともに、気象学的視点からも、解析を試みています。そのほか、マルモッタン美術館に作品が収められるに至った経緯や、制作年にまつわる謎などもひとつずつ検証されています。

印象派のイコンとしてあまりに有名な《印象−日の出》。そこに秘められた謎とともに、印象派の歴史を丁寧に紐解く興味深い一冊です。

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Update : 2015.1.5
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