「ナポレオン 島々の皇帝、流刑の皇帝」 「パリの美術館・博物館〜その歴史と建築、装飾〜」
 
 皇帝戴冠200周年を機に、フランス内外で相次いで関連イベントが催されているナポレオン。日本でも「ナポレオンとヴェルサイユ」展が神戸から東京へと巡回し、話題を呼んでいます。その一方で、関連図書も多数刊行されていますが、なかでも今回ご紹介する「ナポレオン 島々の皇帝、流刑の皇帝」はちょっと変わった一冊です。
ナポレオンは1769年8月15日、フランス領コルシカ島に生まれました。そして、パリ・シテ島のノートルダム寺院で戴冠式を行い皇帝として君臨し、1821年、大西洋に浮かぶセント・ヘレナ島で波乱の生涯を終えました──。ナポレオンの人生には、その節目節目に「島」の存在があったのです。本書では、その「島」の重要性に着目し、15の島を切り口に、悲劇と栄光に彩られたナポレオンの生涯を辿っていきます。陽光まぶしい生誕地コルシカ島、妻ジョゼフィーヌと一時を過ごしたイゾラ・ベッラ、再起を懸けて脱出をしたエルバ島、そして絶海の孤島セント・ヘレナへ──。
 
「ナポレオン 島々の皇帝、流刑の皇帝」
A4変形/94ページ
日本語/刊行:2005年
画・文:アルノー・ドネー/訳:薮崎利美
序文:ナポレオン公爵夫人アリックス
(ナポレオンの子孫、ルイ・ナポレオン公爵未亡人)
  時代を追って進んでいく物語に彩りを添えるのが、生き生きとした水彩画。作者自らが、実際に島々をまわって描いた絵を通じて、読者はナポレオンが生きた時代と現在との二つの時間軸にある風景を楽しみ、そこで起こったドラマに思いを馳せることができるのです。今まで知らなかったナポレオンの人生に触れるだけでなく、旅の絵本としても楽しめる一冊です。
 
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