「税関吏ルソー、パリのジャングル」
 
 来る10月7日(土)から、東京の世田谷美術館で開館20周年を記念して「ルソーの見た夢、ルソーに見る夢」展が開催されます。ルソーに代表されるフランスの素朴派、そしてルソーに魅せられた近現代の日本の画家たちの作品も紹介されるこの展覧会の開催を機に、今月は2006年の春から夏にかけてパリで行われたルソー展のカタログをご紹介いたします。

パリ市入税関の職員として働くかたわら、独学で絵を学んだことから“税関吏ルソー”と呼ばれたアンリ・ルソー(1844-1910)。既存の概念にとらわれることなく、独自の手法で夢幻的な世界を築いたルソーの絵画は、ピカソやゴーギャン、詩人アポリネールをはじめ19世紀末から20世紀初頭のパリで活躍する芸術家たちを魅了しました。
 2006年の春から夏にかけてパリのグラン・パレで開かれた「税関吏ルソー、パリのジャングル」展は、ルソーが描いた密林の風景に焦点を当てた展覧会です。実際に熱帯のジャングルに行くことなく、パリの植物園で見た光景や写真、版画などをもとに空想の翼を羽ばたかせた彼の異国風景画は、もっともルソーらしさが凝縮された世界。
 
税関吏ルソー、パリのジャングル
Le Douanier Rousseau, Jungle à Paris
24.5×28mm/232ページ
英語・フランス語/刊行:2006年
価格/12,096円(税込)
  MMMでは海外書籍のお取り寄せも承っております。
  近代化するパリに生きたルソーが夢見た楽園そのものといえるでしょう。展覧会ではそのほか、自画像や肖像画、寓意画なども展示されました。

 この展覧会の全出品作をオールカラーで掲載する公式カタログが本書です。個々の作品解説はもちろん、最新のルソー研究とともに、その作品に影響を与えた文物など、これまで未発表だった資料も数多く紹介。40歳を過ぎて画家を志し、66歳で没するまで南国の風景画にこだわり続けたルソーの芸術の源、そして人生を丁寧に紐解く一冊です。
 
こちらでご紹介する書籍はMMFインフォメーション・センターにて閲覧いただけます。
MMF所蔵資料データベースはこちら