私のちいさなオルセー美術館
 
 1月末より東京で始まり話題を呼んでいる「オルセー美術館展―19世紀 芸術家たちの楽園」。お子様とご一緒に足を運ばれる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで今回は、親子で楽しみながらオルセーの魅力に触れることのできる一冊をご紹介します。

フランス国立美術館連盟(RMN)が発行するこの絵本は、こどもの視点で美術の面白さを捉えた異色の“オルセー・ガイド”。ゴッホやゴーガンとは誰か、印象派とは何か、そんな前知識を何も持たないこどもが作品を目にしたとき、いったいどんな思いを抱くのか、そんな疑問から出発したかのような一冊です。
 ゴーガンの作品では画中の野良犬が語り出し、家族が集う午後の庭を描いたボナールの絵では小さな子とおばあちゃんの心温まる会話が繰り広げられ、愛らしい白くまの彫刻が自らその作者ポンポンを紹介。
 セザンヌの絵は『りんごとオレンジ』と題されているけれど、いったいどれがりんごで、どれがオレンジなの?……。
 
Mon petit Orsay 
22.5×22.5mm/43ページ
フランス語・英語/刊行:2001年
著者/マリー・セリエ
価格/3,348円(税込)
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大きな図版に添えられたこうした文章は、一般のガイドブックや解説書では出会うことのない斬新な発想で、その作品の世界にぐっと入り込むことのできる内容。お子様と一緒に楽しめるのはもちろんですが、日頃から多くの美術書に慣れ親しんだ大人の目にも新鮮な絵本です。