「モーリス・ドニ」
 
装飾芸術家としてのドニの魅力満載の一冊
 大好評を博した「オルセー美術館展―19世紀 芸術家たちの楽園」もいよいよ今月、幕を閉じることになりました。この展覧会でも注目を集めた画家の一人がナビ派の主要人物モーリス・ドニ(1870-1943)です。家族が楽しい時間を過ごす別荘を天国に見立てたその美しい出展作《天国(Le paradis)》には、身近な情景を描いたドニの「アンティミスト(親密派)」としての側面がよく表われています。
 今月、ご紹介する一冊は、フランスのオルセー美術館で1月まで開催され好評を博した「モーリス・ドニ」展の公式カタログです。この展覧会では、おもにドニの装飾芸術家としての才能に光が当てられました。本書をひも解けば、来日していたドニ作品とはまた一味違った画家の魅力を発見することができるでしょう。
 本書では、オルセー美術館が所蔵するドニの代表作《ミューズたち》をはじめ、彼が手がけた教会のステンドグラスや壁画などが詳しい解説テキストとともに紹介されています。
 
「モーリス・ドニ」
Maurice Denis
28.4×24.5cm/304ページ
フランス語/刊行2006年
本体記載価格/39ユーロ

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また、詳細な年表には家族と過ごすドニの姿を捉えた写真なども多数添えられ、その作品と画家自身の魅力を余すことなく伝える一冊に仕上がっています。
 「オルセー美術館展」で多くの人々を魅了したドニの作品世界を、より深く探るにはぴったりの一冊です。