「ルネ・ラリック    比類なき宝飾品1890〜1912年」
 

宝飾品を芸術に高めたラリックの世界を紹介
 19世紀末から20世紀初頭、ベル・エポックのパリにあって、ルネ・ラリックは装飾芸術家として一世を風靡しました。ラリックが造り出す華麗なアクセサリーは、その独自の造形と比類ない美しさで女優や上流階級の人々を魅了したのです。
 今回紹介するのは、2007年3月からパリのリュクサンブール美術館で開催されている展覧会「ルネ・ラリック 比類なき宝飾品1890〜1912年」のカタログです。ラリックは1910年代以降になると徐々にアクセサリーから離れてガラス器の制作に向かい、作風もアール・デコ様式に変化していきますが、アール・ヌーヴォー様式のアクセサリーの傑作を次々と生み出した華やかな時代に焦点を当てたのが、今回の展覧会です。
 本書では、ラリックが描いたデザイン画と完成した宝飾品を並べて掲載。また、それを身につけた女優サラ・ベルナールの写真やポスターや同時代の画家の絵画作品を収録するほか、世紀末のパリを魅了した日本の美術にもクローズアップするなどして、工芸と絵画、詩、文学などを統合してひとつの芸術世界を作り上げたラリックの世界を丁寧に紐解いていきます。
 
「ルネ・ラリック 比類なき宝飾品1890〜1912年」
René Lalique Bijoux d'exception 1890-1912
28×24.2cm/285ページ
フランス語/刊行2006年
監修・著者/イヴォンヌ・ブリュナメール
本体記載価格/39ユーロ

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美しい宝飾品を大判の図版で掲載し、ラリック研究の第一人者であるイヴォンヌ・ブリュナメールによる解説を収録する本書は、本格的なラリック研究書であるうえに、ページを繰るだけでもじゅうぶんに楽しめる豪華な一冊です。