「ルノワール/ ルノワール」
 

日本開催の「ルノワール+ルノワール」展の
オリジナル展覧会のカタログ

 2008年2月からBunkamuraザ・ミュージアムで開催中の「ルノワール+ルノワール」展。印象派の巨匠オーギュスト・ルノワールと、その次男でフランス映画の大監督となったジャン・ルノワールという、父子二人をテーマにした画期的な展覧会として、注目を集めています。息子のジャンは、『ピクニック』(1936年制作)のなかでは、溌剌とブランコをこぐ田舎娘を、『草上の昼食』(1959年制作)では女優カトリーヌ・ルーヴェルが水浴びをするシーンなど、父の代表作のなかのモチーフを随所に挿入しました。そこからは、偉大な父を越えようともがきながらも、その作品を深く理解していた一人の息子の姿が浮かび上がってきます。
 今回ご紹介する一冊は、現在日本で開催されている「ルノワール+ルノワール」展のもとになった展覧会のカタログです。オリジナルの展覧会「ルノワール/ルノワール」は、2005年パリのシネマテーク・フランセーズで開催されるや、その視点の新しさから大きな話題となりました。
美術ファンと映画ファンが同じ会場で、同時にひとつの展覧会を楽しむ――。表現芸術の分野の垣根がとりはらわれた会場に、多くの人が足を運ぶことになりました。
 本書では、残念ながら日本開催の「ルノワール+ルノワール」展では出品が叶わなかった父の代表作≪ムーラン・ド・ラ・ギャレット≫と、まさに同じ瞬間を鮮やかな色彩でスクリーンに再生したかのような息子ジャンの『恋多き女』(1956年制作)のワンシーンも、並列して掲載されています。

「ルノワール/ ルノワール」Renoir / Renoir
24.5×22cm/240ページ
フランス語/刊行2005年
本体記載価格/39ユーロ

 
日本開催の「ルノワール+ルノワール」展のカタログも蔵書してあります。
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19世紀に流行したカンカン帽を被った男性たちが、着飾った女性の手をとり、ダンスホールで踊るシーンには、父が生涯追い求めた「生きる歓び」が活写されているようです。
 日本での展覧会を楽しんだあとに本書のページを繰れば、さらに父子の絆を感じられることでしょう。
 
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